ロレッタブログ

40代から始めるロコモ予防 ― 70歳で杖に頼らないために - 2025.10.03

年齢を重ねても、自分の足で歩き、自分の手で日常を過ごしたい―。
そのために注目されているのが ロコモティブシンドローム(運動器症候群、通称「ロコモ」) です。日本整形外科学会が提唱するこの概念は、足腰の衰えによって要介護や寝たきりになるリスクを高める状態を指します。


公式情報・動画紹介

詳しくは、日本整形外科学会が運営する公式サイトで紹介されています。
👉 ロコモティブシンドローム公式サイト

また、こちらの動画もわかりやすくまとめられています。

自覚症状がなくても要注意

便利な移動手段の多い現代社会では、ご自身では「日常生活に全く支障を感じていない」けれども、実は既にロコモになっていたり、すでにかなり進行している人が少なくありません。


チェックポイント

特にこの動画で印象的なのは、 「40代で40㎝の椅子から片足で立ち上がれない人は、70歳で杖が必要になるリスクが高い」 という警告です。

これは決して「私は40代じゃなくてもう50歳だから、片脚で立ち上がれなくても仕方がない。」「他の人も出来ないから、私も出来なくても当然」ということではありません。自分の足でトイレに行き、お風呂に入り、自分の手で水をくみ、髪をとかし、食事を食べ、布団で寝起きする・・・という、自立生活に最低限必要な脚力が、片足立ち上がりテストなのです。ですから、このテストは「40歳ならできてOK。50台ならできなくてもよい」、というものではなないのです。そして、他人ができようができなかろうが、自分の老いの標準を他人の老いに合わせる必要はありませんよね?

般的なダイニングチェアの座面の高さは、約40cm~43cm。ぜひこのブログを読んだ今、立ち上がりテストをしてみてください。片足で椅子から立てないなら、それは無視できないサイン。
いつか杖を使う生活ではなく、自分の足で、自分らしく歩ける未来を一緒に作りませんか?
これは決して脅しではなく、現実を映したデータに基づくもの。日常生活の中でのちょっとした不便が、将来の大きな制約につながる可能性を示しています。

自分がロコモかどうかは、ロコモ度テストで簡単に判定することができます。すでにロコモである場合も、ロコモを進行させないことが重要です。いつまでも歩き続けるために、運動器を長持ちさせて自助努力で健康寿命を延ばしていくことが大切なのです。

40代で知っておくべきポイント:なぜこの時期が「予防の分岐点」なのか

  • 上記の “40代で椅子から片足で立てない” という指標は、将来ロコモになるリスクを予測する強いサインです。40代でこれができない場合、70歳で杖が必要になる可能性が統計的に高まるという研究があることを引用できます。
  • 40代は筋力・柔軟性が徐々に減り始める時期。見た目や体重だけではなく、体の「使い勝手」に意識を向けると差がつく。


生活習慣病の人は若くてもロコモになりやすい

また、高血圧などの生活習慣病(高血圧、脂質代謝異常、糖尿病など)比較的若い頃からロコモの原因となる病気に罹患しやすいことも分かってきました。理由は大きく分けて以下の3つの観点で説明できます。


① 血流障害による筋肉・骨・関節のダメージ

  • 高血圧は血管を硬くし、動脈硬化を進める要因になります。

  • 血管が硬くなると、筋肉や骨、関節に十分な酸素・栄養が届きにくくなり、修復力や再生力が低下します。

  • 結果として筋力低下、骨粗鬆症、関節変形などが早い段階から進行しやすくなります。


② 慢性的な炎症と代謝異常

  • 高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、体内に慢性炎症を引き起こしやすい状態をつくります。

  • 炎症が長期化すると筋肉の合成が抑制され、筋肉量が減少(サルコペニアの進行)しやすくなります。

  • また代謝異常によって内臓脂肪が増えると、関節への負担も増加し、変形性膝関節症や腰痛のリスクが高まります。


③ 運動不足との悪循環

  • 高血圧や糖尿病のある人は「運動制限」「疲労感」「合併症の不安」などから活動量が減りやすいです。

  • その結果、筋力・柔軟性の低下 → 運動器の機能低下(ロコモ) → さらに動かなくなる という悪循環に陥りやすくなります。

ロコモに陥っている高齢者は、そうなる前からメタボリックシンドロームなどの生活習慣病を併発しているケースが多いのです。ロコモによる運動不足が生活習慣病を悪化させるケースもあれば、重度な生活習慣病により身体活動全般が低下し、ロコモをさらに悪化させるなど、相互に影響しあうことで全身の機能低下と衰弱という負のスパイラルに陥ってしまうのです。

だからこそ「まだ若いから大丈夫」ではなく、40代からの生活習慣改善や適切な運動習慣 が重要になるのです。


予防の第一歩

  • 早期に筋肉・関節を動かす習慣を持つこと
  • 正しい姿勢での運動を継続すること

  • 栄養や生活習慣を整えること

40代から意識を変えることで、未来の生活の質は大きく変わります。ご自身の生活を変えないまま、ロコモが自然に良くなることはないのです。推奨されているロコモ予防の運動は、どれもご自宅で出来る大変シンプルで基礎的な運動ばかりです。

まとめ

ロコモは「まだ大丈夫」と思っているうちに進行するのが特徴です。理想は30歳から始める毎日の運動習慣。いくら遅くても40歳で習慣化したほがよいのです。60代になり、これまで運動習慣をつけてこなかったご自身の人生を後悔していない人に、私は出会ったことがありません。
それでも今日が人生で最も若い日です。今のうちから「動ける体」を維持する習慣を取り入れることが、70歳以降の自分への最大の投資になります。