質 × 頻度 × 量 × 継続。“発音”と“身体感覚”の共通点 - 2025.10.25

今夏から、英語発音トレーニングアプリ ELSA Speech Analyzer を使って、ピラティスの台本を題材に発音練習を続けています。
最初はスコアが70%前後。英語の音に意識を向けるほど、舌や喉の筋肉の“鈍さ”に気づかされる日々でした。
けれど続けていくうちに、最近ではコンスタントに80%台を超えるように。それも自分のコンディションを可視化する良い指標になっています。
気を抜いて発音してみると見事に60%台が出るので、その精度の高さに関心します(笑)。
音を整えることは、神経を整えること
ELSAでは、国際音声記号(IPA)をもとに詳細な発音分析が行われます。
下の画像のように、例えば「/ɪ/」「/s/」「/n/」といった特定の音に対する改善点が提示され、修正するとまた別の課題が浮かび上がる──その繰り返しです。この画像の下には、私が読み上げた文章が表示されていて、この3つの発音記号以外にも沢山の修正を指示してくれます。
つまり、発音の上達とは“癖”を見つけて、神経と筋肉の回路を何度もつなぎ直す作業なのだと感じます。
これはまさに、ピラティスにおける「動きの再教育」とまったく同じプロセスです。
右手に内観力を、左手に集中力を携えながら、質の高いトライ&エラーを無数に積み重ねていくことで、神経系の精度は磨かれ、やがて確かなブレイクスルーへと導かれていくのです。



発音が変わると、聞こえ方も変わる
「発音が良くなるとリスニングも向上する」──これは多くの言語学者が指摘する通りです。
実際、私自身もそれを強く実感しています。
自分の口から正しい音を出せるようになると、脳がその音を正確に識別できるようになるのです。
音の認識は、筋肉と神経の協働で成立しています。
これは「身体を動かす」ときとまったく同じ仕組み。
ピラティスで骨盤の位置や肩甲骨や背骨、股関節の動きを“感じ取る力”が育つように、英語の音も筋肉を通して身体に染み込ませることで聞こえ方が変わっていきます。
ネイティブを目指すより、“聴きやすい自分”へ
日本人の多くが理想とするのは「ネイティブ並みの英語」ですが、
大人になってからそのレベルに到達するのは現実的ではありません。
それでも、相手に聴きやすい発音を意識することは、思いやりの一つだと感じています。
発音を整えることは、単なるスキルアップではなく、
「相手とのコミュニケーションを快適にする」ための心の姿勢でもあります。
質 × 頻度 × 量 × 継続が結果を生む
1日最低でも1時間、多い日は3~4時間ほどの練習。
IPA(国際音声記号)を頼りに、舌や喉、顎の位置を微調整しながら音を出す。
ピラティスのフォーム修正とまったく同じように、意識と感覚を一致させる作業を繰り返しています。
成果はすぐには現れません。
けれど「質 × 頻度 × 量 × 継続」、この4つの掛け算が揃うことが確実に結果を変えていくことを、語学学習もピラティスも同じように教えてくれます。
おわりに
言語も身体も、「できない」から始まります。
大切なのは、できない自分を責めることではなく、そのプロセスを観察できる自分でいること。
神経を通して学び、動き、発音し、そして続けること。全ては自分のためだから。
それが、大人になってからの“学び直し”の本当の楽しさだと思います。
