成育医療研究センター「女性の健康」合同オープンセミナーのお知らせ― プレコンセプションケアとライフコース全体の健康を考える - 2025.11.12
先日ブログでもご紹介した「成育Women’s Healthセミナー/アドバンストセミナー」。オンラインで拝聴しながら、「女性の一生を通じた健康」というテーマの奥行きと、ライフコース全体を見据えた視点の重要性をあらためて感じる時間になりました。
その受講者向けに、国立成育医療研究センター 女性の健康総合センターから、「合同オープンセミナー」のご案内メールが届きました。内容を拝見すると、女性の健康に関心のある多くの方にとって有益なテーマだと感じたため、Lorettaのブログでも概要をご紹介したいと思います。

今回のセミナー概要
タイトル:女性の健康総合センター開設1周年 プレコンセプションケアセンター10周年
合同オープンセミナー 「女性の健康をすすめる ~叡智の集結から実践へ~」
日時:2025年12月6日(土)13:00~16:35(12:30開場)
会場:日本橋ライフサイエンスハブ(COREDO室町3・8F)
開催形式:ハイブリッド開催(会場およびZoomオンライン)
参加費:無料
定員:会場 150名 / オンライン 1,000名(ウェビナー)
第1部では、女性の健康総合センターの1年の実績、今後の課題や展望について。
第2部では、「プレコンセプションケア(妊娠前からの包括的な健康づくり)」を当たり前のものとして社会に根づかせるために、日本国内だけでなく海外での取り組みも含めた内容が予定されています。
プレコンセプションケアとは?
「プレコンセプションケア」という言葉は、少し専門用語に聞こえるかもしれません。国立成育医療研究センターのプレコンセプションケアセンターでは、これを次のような趣旨で説明しています。
若い女性・男性が、将来のライフプランを考えながら、自分自身の生活習慣や健康状態と向き合うこと
・そのことが、将来の自分自身の健康だけでなく、次世代(これから生まれてくる子どもたち)の健康にもつながること
・将来妊娠・出産を希望しない場合でも、「性・妊娠・出産」に関する科学的に正しい知識を持つことは、自分とパートナーを守る上で大切であること
センターでは、こうした考え方をベースに、
・現在の健康状態のチェック
・将来の妊娠・出産についての相談
・持病を持つ方の妊娠に関する情報提供
などを行っています。プレコンセプションケアセンターの役割や検診・相談の詳細は、国立成育医療研究センター公式サイト内の「プレコンセプションケアセンター」のページに整理されていますので、関心のある方はぜひご覧になってみてください。
女性総合診療センターが担っているもの
今回の合同セミナーのもう一つの主役が「女性総合診療センター」です。こちらは、女性のライフステージに応じた幅広い診療科(女性内科、女性外科/婦人科、不妊診療科、女性精神科、女性歯科など)を束ね、身体面とメンタル面の両方から女性の健康を支えることを目的としたセンターです。
いわゆる「婦人科だけ」「更年期だけ」といった縦割りではなく、
・月経、妊娠・出産、不妊、不育
・更年期症状や生活習慣病
・心の不調や睡眠、口腔内の健康など
を横断的にとらえ、「女性の一生」を見渡した診療体制を整えているのが特徴です。
女性総合診療センターについての詳細や、それぞれの診療科の紹介は、国立成育医療研究センター公式サイト内「女性総合診療センター」のページにまとめられています。こちらも、とても参考になる内容です。
30〜40代と40〜60代、それぞれの「今から備える」視点
プレコンセプションケアというと、「これから妊娠・出産を考える30〜40代のためのもの」という印象を持たれる方も多いかもしれません。実際、その層にとっては非常に直接的なテーマです。一方で、40〜60代の方にとっても、これは「過去の話」ではなく、「これからの10年・20年をどう生きたいか」という観点と深く関わっています。
・30〜40代
妊娠・出産を望む/望まないにかかわらず、「自分のキャリアと健康をどう両立させるか」「将来の自分にどんな身体でいてほしいか」を考える時期
・40〜60代
更年期以降に表面化しやすい症状(不調感、骨・筋力の低下、転倒リスク、生活習慣病リスク、認知症、歯周病リスクなど)にどう向き合い、健康寿命を伸ばしていくかを具体的に考える時期
年代によって「目の前のテーマ」は違って見えますが、根っこにあるのは同じです。
毎日の生活習慣(食事・睡眠・運動)、身体の使い方、ストレスとの付き合い方を、どのタイミングからでも「整え直していけるかどうか」。そのための情報と選択肢を、専門家と一緒に冷静に確認していくことが、プレコンセプションケアの考え方とも重なります。国立成育医療研究センター
ピラティスとスキンケアの現場から見える「土台づくり」
Lorettaでは医療行為は行っていませんが、ピラティスやエステティックの現場で、日々多くの方の身体と向き合っていると、「日常の小さな選択の積み重ね」が、数年〜十数年後のコンディションにそのまま跳ね返ってくることを強く感じます。
- 20〜30代のうちにまったく運動習慣がない
- デスクワーク中心で、同じ姿勢のまま何時間も過ごす
- 睡眠時間や食事内容がその場しのぎになりがち
- 近所を散歩する程度の「移動」を運動と勘違いしている
- 骨粗鬆症と指摘されても、投薬以上の対処をしない
そして、鎮痛剤が手放せないほどの月経痛や、2時間ごとに薬を飲まないと耐えられない痛み、大量の月経血で何度も倒れてしまうような状態、月経前に自分でも驚くほど気分が落ち込んで「消えてしまいたい」と感じるほどの精神的な落ち込み、健診のたびに貧血、低筋力を指摘されている…といったサインがありながら、それらを「体質だから」「そんなものだから」と完全に放置してしまう方も少なくありません。
その一方で、服やバッグや靴、飲食、旅行には迷いなくお金を使えてしまう。厳しい言い方をすれば、健康管理や自己管理への投資と、目に見えるモノへの消費とのバランスが、あまりにも崩れているケースをたくさん見てきました。
また、親も自分も誰もが平等に年を取っていくにもかかわらず、「妊娠」についてだけはどこかぼんやりとしか考えず、妊娠にもっとも適した時期は二度と戻らないという現実と向き合わないまま時間が過ぎてしまう。結果として、後になってから不妊治療に膨大なお金と時間、そして精神的なコストを払わざるを得なくなっている方も、本当に多いと感じます。
こうした毎月の積み重ねは、すぐには問題として現れない場合でも、40〜50代以降に「急にしんどくなった」「階段がつらい」「朝起きるとあちこち痛い」といった感覚として表面化しやすくなります。
逆に言えば、
・姿勢や呼吸を見直す
・骨や関節を守るための筋力・柔軟性を維持する
・肌や粘膜を含め、身体全体の「素材」を整えておく
といった地味な取り組みは、将来の治療や入院の負担を軽くする「下地づくり」にもなり得ます。
そこに、健康診断や婦人科検診のデータを医師任せにせず自分でも大まかに理解しておくこと、妊娠とキャリアのタイミングを、できれば20代のうちから一度は現実的に考えておくことも含めていくと、「自分の未来に先回りする」プレコンセプションケアに近づいていきます。
女性の健康総合センターやプレコンセプションケアセンターが示しているのは、「病気になってから慌てて対処するのではなく、なるべく早い段階から、自分の未来のために備えていく」という考え方だと受け止めています。国立成育医療研究センター+1
今回のセミナーは、医療職の方だけでなく、「自分の身体のことを、もう少ししっかり理解しておきたい」と思っている一般の方にとっても、良い入り口になるのではないでしょうか。
こんな方に特におすすめです
・今は大きな不調はないけれど、将来の健康が漠然と不安
・妊娠・出産やキャリアとの両立について、正しい情報を整理しておきたい
・更年期以降を、「なんとなく我慢」で乗り切るのではなく、できる準備をしておきたい
・信頼できる公的機関の情報をベースに、自分や家族の健康を考えたい
成育医療研究センターのセミナーの良さは、「不安をあおる」のではなく、エビデンスに基づく情報と、現場での実践知の両方を丁寧に共有してくださる点にあると感じています。
まとめにかえて
女性の健康は、「今の症状があるかどうか」だけでは測れません。
10代・20代、30〜40代、40〜60代…と年齢を重ねる中で、どの時期にもそれぞれの課題と備え方があります。
今回の合同オープンセミナーは、
・女性の健康総合センター開設1周年
・プレコンセプションケアセンター10周年
という節目に、「これまでの知見をどのように社会に還元していくのか」を共有する貴重な機会になりそうです。
ご興味のある方は、成育医療研究センターの公式サイトに掲載されている案内ページや、プレコンセプションケアセンター・女性総合診療センターのページも含めて、ぜひ一度チェックしてみてください。国立成育医療研究センター+1
