ロレッタブログ

50歳で生活習慣病になったら、いくら失うのか。旅費・飲み代・健康投資の“差し引き勘定” - 2025.12.22

パーソナルトレーニングは贅沢。
オーガニック食材や良質なタンパク質は、家計の敵。

そうやって、月1〜2万円の「からだへの投資」は我慢するのに、年に数回の旅行、月数回の外食や飲み代、スイーツ、ネイル、バッグや靴、タクシーには、あまり迷わずお金を使う。

どちらも人生の楽しみですし、否定するつもりはまったくありません。
ただ一つだけ、冷静に見ておきたい事実があります。

「どこにお金を回すか」で、将来の“支出のケタ”が静かに変わっていく。

このブログでは、50歳で生活習慣病になった場合を一つのモデルとして、
・どれくらい医療費がかかるのか
・重症化したときに、人生と家計に何が起きるのか

を、具体的な数字でイメージしてみます。今日のブログは少し長いですが、大事なお金の話、しっかりと一緒に学んでいきましょう!✨

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1. 50歳で生活習慣病になった場合の“ベースのコスト”
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前提条件をそろえておきます。

・日本の平均寿命  男性:約81歳 女性:約87歳
・発症年齢:50歳
・そこから亡くなるまで、通院・薬・検査が続く想定
・公的医療保険の自己負担:70歳未満は原則3割

生活習慣病といっても、軽症で薬も少なく済む人から、複数の病気を抱え、入退院を繰り返す人までさまざまです。ここでは、あくまで「中程度」のケースを仮定します。

・生活習慣病(糖尿病・高血圧・脂質異常症など)があり
・月1回程度の通院と、複数の薬、定期的な検査がある

という前提で、

・年間の総医療費(保険給付+自己負担) 約40万円
・そのうち自己負担(3割)       約12万円/年

と置いてみます。この状態が「50歳から平均寿命まで」続くとすると、

【男性の場合(50〜81歳:31年間)】
・総医療費トータル 約1,240万円   ・自己負担 約372万円

【女性の場合(50〜87歳:37年間)】
・総医療費トータル 約1,480万円   ・自己負担 約444万円

実際には、70歳以上で自己負担が軽くなる制度や、高額療養費制度がありますから、「必ずこの金額を現金で払う」という意味ではありません。それでも、「50歳で生活習慣病を発症し、その後ずっと治療が続けば、医療費だけで“1,000万円単位のお金”が動いていく」というイメージは持っておいた方がよいと思います。

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2. 生涯医療費のリアル:Tarzan掲載「大崎国保コホート研究」
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個人レベルの試算だけだと、どうしても「イメージの話」に見えます。
そこで、日本全体のデータを見てみましょう。

Tarzan Web の記事 「体型、運動、飲酒、喫煙は関係する? 一生で使う『医療費』のリアル」では、厚生労働省「生涯医療費(令和2年度推計)」や、東北大学名誉教授・辻一郎先生らによる「大崎国保コホート研究」の結果をもとに、生涯医療費と生活習慣の関係が紹介されています。

ここで示されている主なポイントは、

・日本人1人あたりの生涯医療費は、平均約2,700万円
・そのうち自己負担は、約500万円前後
・70歳以上でかかる医療費が全体の約51%

というものです。 さらに、生活習慣や健診結果との関係として、

・肥満の人は、普通体重の人より生涯医療費が約208万円多い
・1日1時間以上歩く人は、寿命が約1.5年長く、生涯医療費が約75万円安い
・高血圧の人は、正常血圧の人より生涯医療費が約376万円多い
・高血糖、脂質異常なども、それぞれ数十万円〜百万円規模で医療費が増える

先ほどの「50歳で生活習慣病になった場合のシミュレーション」と、この「日本全体の統計データ」を重ねてみると、

生活習慣の差は、“せいぜい数万円のジム代”の問題ではなく、生涯で数百万円単位の医療費と、数年単位の寿命の差につながりうる

ということが、かなり具体的に見えてきます。

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3. “本当に怖い”のは、重症化したときの人生コスト
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生活習慣病の本当の怖さは、「薬代がかかること」そのものではありません。

・ある日突然、糖尿病が悪化して下肢切断になる
・視力が落ち続け、最終的に失明に至る
・腎臓の機能が落ち、人工透析が必要になる

こうした合併症が起きたとき、「お金」と「時間」と「自由」が一気に削られます。

・仕事を続けにくくなる(あるいは続けられなくなる)
・家族や周囲の人の時間と労力を、半ば強制的に奪う
・行きたい場所に、自力では行けない
・“老後資金”どころではなく、“毎月の生活を回す”ことで精一杯になる

つまり、人生そのものが「治療を前提とした生活設計」に書き換えられてしまう。
では、ここからは、代表的な3つの重症化パターンをざっくり数字で見てみましょう。

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4. ケース1:糖尿病による下肢切断
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糖尿病や動脈硬化が進行すると、足の血流障害から壊疽を起こし、片足、あるいは足の一部を切断せざるを得ないケースがあります。医療費・介護費などを含めた「足切断」の実例を集計したデータでは、平均コストが約1,120万円程度という報告があります。交通事故の弁護士.jp

ここでは分かりやすく、切断手術+入院・リハビリ等で総額約1,000万円(自己負担3割として約300万円)と仮定します。さらに、切断後も

・義足の作成・調整・更新
・継続的なリハビリや通院
・転倒予防のための補助具、住環境の調整

などが必要になることを考えると、年間50万円程度の追加コストが、長期的に発生すると見込まれます。50歳で切断し、その後平均寿命まで生きるパターンで計算すると、

【男性(31年間)】
・初期コスト 約1,000万円 + その後31年 × 50万円 約1,550万円 =合計 約2,550万円(自己負担3割なら約765万円

【女性(37年間)】
・初期コスト 約1,000万円 + その後37年 × 50万円 約1,850万円 =合計 約2,850万円(自己負担3割なら約855万円

もちろん実際の金額は、状態や支援制度の利用状況で大きく変わります。
ただ、「片足を失う」という現実に加え、2,000万円台のコストと、就労の制限が同時にのしかかるイメージは、持っておいて損はありません。

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5. ケース2:失明(視覚障害)
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糖尿病性網膜症などによる視覚障害も、生活習慣病の代表的な合併症です。

・失明に至るまでの手術・入院・通院
・点眼薬やレーザー治療などの継続的な医療
・白杖や拡大読書器、音声読み上げ機器などの支援機器
・移動や日常生活のサポートにかかる費用

こうしたものをまとめると、合計で1,000万円前後に達してもおかしくありません。ここでは一つのモデルとして、失明に至るまでの医療費・手術費など 約500万円 +その後の通院・補助具・支援サービス 年間 20万円と仮定すると、

【男性(31年間)】
・初期コスト 約500万円 +その後31年 × 20万円 約620万円 =合計 約1,120万円(自己負担3割なら約336万円)

【女性(37年間)】
・初期コスト 約500万円 +その後37年 × 20万円 約740万円 =合計 約1,240万円(自己負担3割なら約372万円)

視力を失うという「生活そのものの制約」に加えて、1,000万円規模のコストが乗ってくる可能性がある、ということです。

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6. ケース3:人工透析 ― “桁”が変わる代表例
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人工透析は、生活習慣病の合併症としてもっとも象徴的なものの一つです。医療機関の公開情報などによると、血液透析・腹膜透析、検査や診察・治療費を含めた透析患者1人あたりの年間医療費は、約500万〜600万円とされています。town.ora.gunma.jp+3seijinkai.jp+3井口病院 |+3

ここでは下限に近い数字として、年間総医療費 約500万円 で試算してみます。

【男性(50〜81歳:31年間、ずっと透析が続いた場合)】
・500万円 × 31年 = 約1億5,500万円(総医療費)

【女性(50〜87歳:37年間)】
・500万円 × 37年 = 約1億8,500万円(総医療費)

自己負担については、高額療養費制度や、人工透析に対する各種公的助成があるため、「3割そのまま」という状況にはなりにくいのが実情です。地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪急性期・総合医療センター+1それでも、

・週3回、1回数時間の透析
・その前後の体調不良
・合併症リスクの高さ

を考えると、

・フルタイムで働き続けるのは現実的にかなり厳しい
・趣味や旅行は「透析スケジュールの許す範囲」に限られる
・家族も、透析を中心に生活リズムを合わせる必要が出てくる

という「時間と自由のコスト」は、想像以上に大きいものになります。

旅行や外食に使ってきた数百万円が、未来のどこかで「透析前提の生活」と引き換えになってしまう。
そう考えると、今日の選択の重さが、少し違って見えてくるはずです。

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7. “人生が終わる”のは、ある日突然ではなく、静かに削られていく
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生活習慣病は、天災、戦争、事故、凶悪事件とは違い、ある日突然、人生の幕を下ろすものではありません。もっと静かに、じわじわと、

・今日は少し体調が悪いから、仕事をセーブする。約束もキャンセルする
・通院で半日つぶれる日が増える
・やりたいことより、「自分の体力でできること」の方が先に浮かぶ
・人と会うのがおっくうになり、社会との接点が細くなる

こうして、「収入」「体力」「人とのつながり」が少しずつ、しかし確実に削られていきます。最後に残るのは、

・高額な医療コスト
・制限だらけの身体
・「もっと早くやっておけばよかった」という後悔

だけ、という状況もあり得ます。私はそうした「間に合わなかった人たち」も沢山みてきました。

60代になってから「運動習慣を身につけてこなかった過去の自分」を後悔していない人は今のところ見たことがありません。

「あの頃は仕事が忙しかった。」
「あの時は子育てをしていた。」

でも、旅行やレジャーや外食、呑み会、服飾品などのショッピングには行っていたはずです。自分の人生に自己管理が抜け落ちていたのです。
3人子どもがいても、フルタイム勤務で激務の人でも、当スタジオに週一通っている人はいます。行動の決定権は、いつもご自身の手中にあるのです。

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8. フィットネスや良質な食事は、“贅沢”ではなく「将来コストの割引」
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さて、ここまでの数字を見てくると、月々のフィットネス代や、良質な食材にかけるお金の意味が
少し違って見えてくるかもしれません。

・筋トレのジムやスタジオの会費 月2万円
・パーソナルピラティス 月4〜6万円
・加工食品を減らし、良質なタンパク質や脂質に少しお金をかける
・自分のからだに合ったスキンケアやボディケアを続ける

これらを「余裕がある人の贅沢」と見なして削るのか、「将来の医療費や、働けないリスクを下げるための保険」として捉えるのか。10年後・20年後の“当たり前の生活”の中身は、この解釈の違いだけで、大きく変わります。50代・60代・70代で

・好きな仕事を続けられる
・ある程度自由に動ける
・行きたいときに、自分の足で旅行に行ける

という状態を維持できるかどうかは、80代、90代の、要介護リスクを下げ、排せつや食事を自力でききる未来の獲得に繋がります。そしてその未来は、そのずっと前、30代・40代からの

・体重や血圧、血糖値に向き合う姿勢
・姿勢や筋力、柔軟性を維持する習慣
・ストレスと睡眠の整え方

と、深く結びついています。

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9. まとめ:今日の一杯や憂さ晴らしか、10年後の“普通の生活”か
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今日の飲み代、明日のランチ、新作スイーツ、次の旅行、素敵な靴やバッグ。どれも人生を豊かにしてくれる大切な楽しみです。ただ同時に、「その楽しみと同じくらい、 自分のからだと生活習慣にも“投資”できているか?」という問いを、ときどき自分に返してみることも、大人の責任ある選択だと思います。

・フィットネス代やピラティスのセッション
・質の良い食事やスキンケア
・カラダの使い方や姿勢を学ぶ時間

これらは決して、「余裕のある人だけの娯楽」ではなくて、「生活習慣病で人生が静かに目減りしていく未来」を割引していくための、とても現実的な対策です。

50歳で生活習慣病になってから後悔するのか。
50歳になった自分が、「あのときの自分、よくやった」と少し誇らしく思えるのか。

その分かれ目は、意外とシンプルで、「今日、どこにお金と時間を使うか」という、毎日の小さな選択の積み重ねなのだと思います。

選択はあなたの自由意思です。
大人の条件とは、自由と責任は必ずセットであることを認識していることです。

50歳で生活習慣病になってから後悔するのか。それとも、未来の自分に感謝されるのか。分かれ目は、今日の小さな選択です。

――まだまだ良い経験と記憶を重ねたいなら、どうかご自分の体を大切に。

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