ロレッタブログ

フランス出張のお土産と、「さぼりがちな自分」を味方につけるトレーニング設計 - 2026.01.20

今年は国内外のご出張が怒涛のように続いているお客様が、先日フランス出張のお土産を持ってご来店くださいました。
当サロンのオープン初期のころからお通いいただいている、大切な常連様のお一人です。


毎週のように通ってくださっている方なので、今回は約1カ月ぶりの再会。扉が開いた瞬間、「あ、帰ってきてくださった」と、ちょっとホッとするようなうれしさがありました。フランスカラーのお茶とともに、「ようやく来られました」と笑顔でお話しくださったのが印象的でした。


当サロンでは、理想的な来店頻度はきちんとお伝えしています。
ピラティスやトレーニングの効果を考えれば、週1〜2回が「本音のおすすめ」です。
とはいえ、皆さんそれぞれにお仕事やご家庭の事情があり、出張や繁忙期でどうしても間が空くこともあります。そこを「ダメです」「来られないなら意味がありません」と考えることは決してありません。

大事なのは、「落ち着いたら、また元の頻度に戻すつもりでいるかどうか」。
今回お土産をくださったお客様は、まさにその好例です。

この方は、以前は運動の頻度がどうしても不定期になりがちでした。数か月空いたり、連続で来られたり、月1や月2、そして半年空いて・・という風に。
その「うまく続かなかった数年間」をきちんと教訓にして、

・さぼりがちだからこそ、自宅にパワープレートを設置する
・さぼりがちだからこそ、自宅最寄りでパーソナルの筋トレを契約しておく
・さぼりがちだからこそ、ピラティスとジムの予定はカレンダーで固定して、よほどのことがない限り動かさない

というふうに、「仕組み」で自分を助ける工夫を続けていらっしゃいます。
根性と意志の力に頼るのではなく、環境とルールを設定する。忙しい現代の大人には、こうした発想の転換こそが必要だと感じますし、むしろ継続と習慣化には「環境とルール設定」が全てです。

そして素晴らしいことに、今回のご来店は「運動らしい運動を、1時間しっかり集中して行う」のが約1カ月ぶりだったにもかかわらず、セッションの中で体がきちんと動いてくれたことを、とても喜んでくださいました。
「思ったより動けてホッとしました。ちゃんと体が憶えているんですね」とお話しくださり、私も心からうれしくなりました。


ここで働いているのが、いわゆる「マッスルメモリー(筋肉の記憶)」と呼ばれる現象です。
少し専門的な話になりますが、マッスルメモリーとは、一度きちんと鍛えた筋肉が、トレーニングを中断して一時的に衰えても、再開すると比較的短期間で元の状態に戻りやすい性質のことを指します。

トレーニングによって筋細胞の中の「細胞核」の数が増えるとされていますが、この細胞核は筋肉がやや萎縮しても残り続けると考えられています。そのため再び負荷をかけ始めたとき、まったくのゼロスタートの人よりも、筋肉が成長しやすい下地がすでにできているのです。
同時に、脳と筋肉をつなぐ神経回路もトレーニングを通じて適応していきます。
「この動きではここを使う」「この姿勢ではここで支える」といったパターンが、何度も繰り返すことで体に染み込んでいきます。いわゆる「体で覚える」という感覚は、この神経系の記憶が大きく関わっています。

一度もやったことのない動きは、そのたびにゼロから動きを探りにいく必要があります。
けれど、定期的にピラティスやトレーニングを重ねてきた方は、たとえ数週間あいてしまっても、

  • 呼吸のタイミング
  • 骨盤や胸郭の位置感覚
  • どこを使って、どこを脱力するのか

といった「設計図」が、体のどこかにちゃんと残っています。だからこそ、久しぶりの1時間でも、最初は少しぎこちなく感じても、だんだんと「そうそう、この感じ」というところまで戻ってこられるのです。それを「やっているうちに勘が戻ってきた」と表現する人もいるのでしょう。

もちろん、何カ月も、あるいは何年も完全に運動から離れてしまうと、筋力や柔軟性は大きく落ちます。
それでも、「一度もやったことがない人」と「過去にきちんと積み重ねてきた人」とでは、戻りのスピードがまったく違います。
日頃の地道な継続は、決して無駄にはなりませんし、その意味でもマッスルメモリーは、筋トレやピラティスを続けるうえで心強い味方になってくれます


一方で、出張や仕事のストレスが高くなると、心身は別のサインも出してきます。

  • ストレスで食事が喉を通らず、どんどん痩せていく。
  • 栄養が足りず、貧血やだるさが慢性化している。
  • 過食や多飲による血糖値スパイクで強い眠気に襲われて寝落ちし、翌朝起きたときも胃が膨満感で苦しい。
  • じんましんや円形脱毛症、難治性のニキビが現れる
  • 体重も腹囲も体調も悪化している。血液検査の結果も悪く、メタボ検診に引っかかる。
  • 二日酔いやブラックアウトが当たり前の飲酒がやめられない

もし、こうした状態が続いていると感じるなら、それは「少し工夫すればいい」というレベルの話ではありません。
今の働き方や生活の組み立て方そのものを、一度立ち止まって見直すサイン
かもしれません。

多くの人にとって、最大のストレス源は仕事か人間関係です。
「今の職場にしがみつくしかない」と思い込みがちですが、本当は人材不足が続く日本では選択肢がまったくないわけではありません。本当に今の働き方が、今の部署が、今の上司が、今のパートナー、親や成人した子どもとの同居が自分の心身の状態と釣り合っているのかどうか。少し距離を置いて眺め直してみる余地は、誰にでもあるはずです。

  • 毎日行く場所を変える。(残業後に寄る場所をバーからジムに)
  • 冷蔵庫や家に置く食べ物や飲料を入れ替える。(お菓子からフレッシュフルーツに。お酒からハーブティーに)
  • 寝る時間・起きる時間を整える。(夜更かしよりも朝活)

こうした「人生を再設計するスイッチ」を入れるには、ある程度のインテリジェンスが必要です。
これまでの逃避や無駄を手放し、目先の楽しみとしていた誘惑を意図的に減らし、自分の心身の健康を取り戻す方向にデザインし直していく。そのプロセスには、知性と勇気の両方が求められます。

ここで言うインテリジェンスは、特別な人だけが持つ才能ではありません。
状況を冷静に見つめ直し、「このままでは自分のためによくないかもしれない」と気づいたときに、少しずつ選択を変えていける力だと私は思っています。時間はかかっても、それは誰でも育てていける力です。
今回のお客様は、そのインテリジェンスが非常に高い方です。
だからこそ、お仕事のストレスも相応に大きいのですが、そのストレスに押しつぶされるのではなく、

「だからこそ、体を壊さない仕組みを前もって用意しておく」
「だからこそ、忙しい時期が終わったら、トレーニング頻度を元に戻す」

と、ご自身を良い方向に軌道修正していかれる力もお持ちです。
オープン初期から長くお付き合いさせていただく中で、その変化のプロセスを間近で見させていただけることを、とてもありがたく感じています。

なお、食事がまったく喉を通らない、過食と嘔吐を繰り返してしまう、体重が5㎏近く変動する、眠れない日が続く難治性の皮膚炎、めまいや耳鳴り、不眠、止まらない下痢や下剤を要する便秘などの状態が続いている場合は、ご自身やサロンケアだけで抱え込まず、医療機関や公的な相談窓口など、専門家のサポートも積極的に頼っていただきたいと思います。「助けを求めるという選択」ができることも、インテリジェンスです。

長時間フライトや時差、ハードな会議が続いたあとの1カ月ぶりのセッション。
背中や股関節、足首まわりのこわばりをほどきながら、「またここから整えていきましょう」と声をかけつつ、お土産と一緒に、その姿勢にも頭が下がる思いでした。

お仕事やご家庭の事情で通うペースが乱れがちな方も、どうぞ遠慮なくご相談ください。
運動で体を変えることは、「誰かに任せていれば叶えてくれる魔法」ではありません。ご自身の実行が全てです。今のライフスタイルの中で現実的に続けやすい頻度や、ホームエクササイズの工夫など、一緒に設計していけたらと思います。

改めて、フランス出張のお土産と、お忙しい中でのご来店をありがとうございました。
そして、このブログを読んでくださっている皆さまとも、「さぼりがちな自分」を責めるのではなく、インテリジェンスとマッスルメモリーを味方につける体づくり・人生づくりを、一緒に続けていけたらうれしいです。

中野坂上のプライベートサロンLorettaは、ピラティスとエステを通じて、姿勢改善と未来の健康を見据えた「大人のリセットと再設計」の拠点でありたいと考えています。