ロレッタブログ

整形後の複雑な心境「以前の私も美しかったなんてことがあり得るのか。」 - 2019.01.25

ゲイの友人が目をオペしたんですよ。
彼は元々とってもかっこよくて、身体も引き締まってファッションセンスも良く、振る舞いもスマートでキャリアも順調なおそらく推定年収数千万という30代前半の超エリート。両親も美形でとびきり優秀らしい。
しかし彼はやや醜形恐怖の傾向があるのか、自分の顔が嫌いだった。控えめに表現しても、彼は自分の顔が好きではなかった。文句なしに十分素敵でかっこいいのに、それでも「目が好きじゃない」「鼻がちょっと」とよく言っていた。

で、オペで目元がより優しい感じになって、ますます素敵になったわけですよ。
「わかなちゃん病院紹介してくれて、ほんとほんとありがとう!!!」とめちゃ感謝されたのです。

「綺麗になったのはホント嬉しい。嬉しいし、もう文句なしに満足してるんだけど。でも、でも・・・やっぱり私ブスだったんだーーーーーっっ!!ってことも同時にすっごく感じるの。それが辛い。嬉しいんだよ。嬉しいんだけど、でもすごく辛いの。」とのこと。

わかる!!!!だってもともと本当に美しく生まれついていれば、整形後に「綺麗になった」なんて感じたり喜んだりするはずがないからね!!

整形後の顔に嬉しくなったり、気分が上がってドーパミンが放出されるということはつまり「それ以前の顔は自分基準ではブスだった」という事実を否応なく突きつけられるわけですよ。
整形後に綺麗になったことを自覚しているのにも関わらず、それ以前の私も美しかったなんてことがあり得るのか。いや、ない。(反語)

これって、セルフイメージが実はとても高い人、つまり自分への期待値が高い人ほどかなりきつい事実なのかもしれない。つまり、表面上はどうであれ、内心自分はもっとイケていると思っていて、しかし実際はそうではなかったという事実を否応なくつきつけられるわけですよ。
彼の場合は、両親ともに揃いも揃って頭脳も美貌も素晴らしいらしいので、子供である自分へのプレッシャーも強く感じていたのかもしれない。本人が自らそう感じたのか、親や周囲の外圧からそう感じたのかは分からないけれど。もしかすると、両方ということもあるかもしれない。

でもね、以前は彼の自意識が定義するところの「ブス」だったという事実に気づけるのは強さと謙虚さでもあると思うから、それを認めちゃった方がきっと楽になるんじゃないかと思います。むしろ、私はいじらしいぐらい好ましいと思いました。

だって、傷つきたくなくて自己欺瞞してしまう弱い人なら、自惚れ鏡はいつまでも手放したくないだろうから「あの頃の私の顔って疲れてたわ」とか「この写真を撮った日はちょっとむくんでたのよ」「寝不足の日の顔ね」などと過去を顔を取り繕おうとするだろうから。そう言いたくなる気持ちも、私もすごくよくわかるしね。

自分の揺らぐ自意識を直視するのが怖いから、なんとか言い逃れをして過去を無かったことにしたいわけですよ。だって、それまでも自分なりにより良くしようと頑張ってきたはずなんだから。

でもね、いくらファッションやヘアスタイルを工夫しても、補整が及ばない部分は、多かれ少なかれ、ある程度はあるんですよ。みんなが吉永小百合や後藤久美子みたいな顔で生まれ育つわけじゃないからね。(笑)それは紛れもない事実。それを心のどこかで自覚していたからこそ、修正して、よくなったんだから。

過去は過去として認めたら、勇気だして大きなチャレンジした自分をほめてあげてください。「自分を攻める癖」みたいな、慢性的な自己否定や自己卑下がしみついてしまっている人は、女性にもすごく多い。かといって、その人に一生誰かが付き添って、落ち込むたびに「よしよし」してくれることなんて無いんですよ。(そんなことが実現したら共依存だろうから『メンヘラのつがい』みたいになって、それはそれで恐ろしいことです)

変化のときは、色んな感情が出てくるもの。でもそれもまた自分。デヴィ夫人に言わせれば「落ち込んでいる暇があったら、あなたを大切にしてくれる男性を見つけるための時間になさい。家で塞ぎ込んでいるなら、ジムに行って身体をシェイプなさい。 ベッドの中でくよくよしているなら、本を読んで教養を深めなさい。」ですよ。(笑)

すぐに落ち込む人やパニックを起こす人は、過去に囚われて、まだ起きてもいない未来の不安を気に病むばかりで、ちっとも「今」を生きられていないないように感じます。

過去はどうであれ、良くなった今を存分に楽しみながら、できることを精いっぱい日々やり切って、これから先も自力で充実させてあげればよいと思います。自分が一番自分の味方なんですから。

ただし、造形的に美人であることと、人気があって声をかけやすいのは同等ではないので要注意!美で稼ぐ女優やモデルや一流ホステスと違い、社会で他の職業で生きる一般人は、完璧すぎるよりもむしろ少しスキがあるほうが好まれる。自分に完璧を求める人は、他人を頼ること、好意や申し出に甘えることが苦手な性格と表裏一体。常に自分を追い詰めて、足りないところを数え上げて不幸に自分を導きがちだから、そこは自覚的になったほうがいいかもですね。