ロレッタブログ

本当のことは静かに聞こえる - 2009.09.25

夏の間は、音楽にまつわる人の本を色々読んでいました。
アンビエント・ドライヴァー/ 細野晴臣

分福茶釜  細野晴臣/鈴木惣一郎

第3章 本当のことは静かに聞こえる。
「声が大きい」
自分だけが特殊なんじゃなくて、自分が感じてることはみんなも感じている。それが表立って声にならないから、みんな孤立しているように思ってしまう。強い意見ほどおおっぴらになるから。
こないだある言語学者が、テレビですごく大事なことを言っていたので、つい聞き耳をたてて聞いちゃったんだけど、「本当のことは小さな声でひそひそ語られる」と言っていた。常々ぼくもそう思っていた。
~中略~

音楽も、演説も、アジテーションも、とにかく大きな音は空しいんだよ。
「耳の感受性」
近所の蕎麦屋に行けば音楽がかかっているし、駅に行けばアナウンス、音楽だらけ、海岸に行くと音楽が流れて、どこにいったってラウドスピーカーから騒音が溢れ出ている。もういたたまれないんだよ。そういうとき、なんでみんな平気なの?って思う。イヤなのはぼくだけなの?自分だけかとおもうと、それがすごい恐怖だった。自分の方がおかしいのかなって。
~中略~
大きな音が人に伝わるとは限らない。ぼくの経験では、小さな音のほうがかえってみんな耳をそばだてるから。そこら辺からぼくの音楽のアプローチが変わってきた。
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同感。
外にでたら否応なく耳に入ってくる雑音。同じ理由でテレビを処分したのでした。
見たい番組ならともかく、合間に流れるCMの音、派手な効果音、耳がたまらなくしんどいのです。
先日までの選挙運動も同じ理由。こんなにうるさい声を誰が聞くのが不思議だったのですが、それがとても判りやすく記されていたのでした。音楽を生業とする友人が多いので、細野さん周辺のことも詳しい人があちこちにいたりするのですが、細野さんの音楽は、数年前まで全く知りませんでした。初めて本人の声を聴いたのは、ある日の立教大学の講演。
当時は個人的にとても色々なことがあったので、あえて音楽ではないところから知りたくて入ったのですが、声が優しい人だなぁ、と思ったのでした。あと、ヨーダに似てるなー、とか・・・・・・・・・・。
いまでも音楽はよく知らないままですが、文章はとても好きです。