ロレッタブログ

ひとりの午後に - 2010.12.26

ひとりの午後に / 上野千鶴子 / 日本放送出版協会
‘おひとりさまの老後‘がベストセラーになりましたが、それ以前には‘女遊び‘‘スカートの下の劇場`など、昔から著書を手に取ることが多かったのでした。
この本も有名かな?私が中学生か高校生くらいの時に話題になっていたような記憶があります。
b0105586_11341472

‘ひとりの午後に‘は「自分が読みたいようなもの。私のこれまでの読者が知らない、私の一面を引き出すようなエッセイを。」とb0105586_11354975
今年読んでとても感銘した斎藤学先生の著書「家族パラドクス―アディクション・家族問題 症状に隠された真実」について言及していて、同じ本の同じところに共感していたことがとても嬉しかったです。
----------------------------------------------------------------------------------------------------–
わたしは孤独な子どもだった。わたしの十代も孤独だった。友人はいないわけではなかったが、たくさんはいなかったし、たくさんは要らない。いまでは人間関係に恵まれているとは思うが、だからといっておおぜいのひとにつねに囲まれているのは好きではない。パーティのような集まりにはできるだけ出たくないし、食事をするなら五人以下がよい。いまでもわたしはひとりでいることがきらいではないし、苦にはならない。
「友だちがつくれない」という相談に、精神科医の斎藤学さんが答えた本に出会った。斎藤さんはこう書いている。
「あなたの一人でいられる能力は立派なものです。・・・・・『一人でいることは悪いことだ』と思うのをやめましょう」
彼の説明はこうである。
「みんなでわいわいやれる人というのは、浅いレベルで自己時表現ができてしまっていますから、『表現をしたい』ということを考えずにすんでいしまいます。・・・・・『表現』には代償として孤独を支払わなくてはなりません。孤独を支払わない人は、楽しそうかもしれないけど、ただの人です。孤独な魂にしか作品はつくれないんですよ。」
作品をつくれない「孤独な魂」もあるかもしれないし、作品をつくることが価値あることだとは限らない。精神科医の言うことらしく、ただの気休めだと受け取ることもできる。だが、たしかに作品を生みだすためには、自分のうちに経験を発酵させ、沈殿させるための「溜め」がいる。そしてそれは自分ひとりでしかできない孤独な作業だ。
----------------------------------------------------------------------------------------------------–
『一人でいることは悪いことだ』と悩む人がいるというのも驚きですが、そもそも『なぜ一人でいてはいけないのでしょうか?』ですね。
ひとりでいてつまらないので誰かといるというのであれば、それは誰かの時間とそのものを自分のエゴで喰いつぶしているだけですからね。
ひとりでいるのが苦にならないし、知り合い・友達・親友と人を区切ってわける性質がよく判らないし、人は人と交わり集わなければならないというプレッシャーがある、というのもそもそも理解できないので、とても共感したのでした。