ロレッタブログ

貧困への無理解は資本家の死を意味する - 2020.03.04

これで令和にならず平成のまま天皇が崩御していたら、日本経済は壊滅したことでしょうね。

結婚を男のカネと女のカオの交換だと斬った小倉千加子センセイはかつて女子の結婚ヒエラルキー意識を丁寧に分析し、生活費を稼がなくてはいけない二等主婦、働かなくても高級品が買える一等主婦の上に、生活のスパイス的な「仕事」にお金を消費できる特権専業主婦がいると説いた。

https://nikkan-spa.jp/1649486

財務官僚が偉そうな印象があるのは、先生や人気司会者や新聞にはどうしても代替できない国の役目がお金の支出だからだ。シンガポールの30分の1、米国の17分の1といわれる対策費で、古き良き家庭にノスタルジーを募らせ、現場知らずの蛮勇を振るう政治は、特に弱者に対してウイルス以上の殺傷能力を持つ気がするが、実は貧困への無理解は資本家の死を意味することも、今年のオスカーでゴッサムシティや半地下の家族が示唆している。

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「結婚は金と顔の交換だ」と斬った小倉千賀子先生の本はこちらです。サロンの本棚にはこの表紙のバージョンを置いています。抱腹絶倒、ドライブ感あふれる痛快な読書体験になりますよ。おすすめです。私はずっとゲラ笑いしながら読みました。

色々な方とお会いしたりお話したり、定点観測していると、最近ちょっと変化してきたかな?と感じることがあります。

夫や恋人や子どもの成功を自分の手柄と同一視したり、自分の格まで上がったようにふるまうあつかましさって、これまではなぜか女性には許されているような印象でしたよね。そして周囲の人々は「成功したのはあなたじゃないでしょって思っちゃう。本人の前では口には出さないけどね」と裏で失笑・・・というような時代がとても長ーーーーーーく続いていました。そして男がこの逆をやると「ヒモ」よわばりされてしまうという理不尽。

こういう前々時代的価値観のまま令和を生きている人もいるのだろうけれど、時代によって女性の生き方も変わるので、若い世代ほど「そういうのって、もういい加減イタイよね」という感じがありますね。

近年は日本のジェンダーギャップも問題視されて解消が叫ばれているし、女性がフルタイム勤務が当たり前だし、社長にもなれるし独立もできるし男性よりも稼ぐ女性も出てくるし家事労働も外注できる時代にもなると、こういう女性特有の特権的の厚かましさはもはや「自助努力や自己成長意欲のない怠け者」とみなされる雰囲気になってきているように思います。

ちなみに、こういう一見厚かましく見えるタイプの女性は、2パターンに分けられやすいです。1つ目は、相手に捨てられたら生活できないから、機嫌を損なわないように媚びて弱者を装い続ける。2つ目は、相手に捨てられたら生活できないから、相手をこき下ろすことで自分の優位性を必死に確保し、似たような女性を「私はあんなのとは違う」と牽制する。

この2パターンの振る舞いを続けているとどうなるかというと、前者は本当に自分で何ひとつできない世間知らずな、精神成熟が思春期以前で止まった幼稚な人になってしまうし、後者はたおやかさや寛容さが消失していくので、なんかいつもキリキリした眉間にシワが寄った怖そうな人、みたいになる。したがって、どちらに転んでもなんか楽しくなさそうな様子です。傍から見てるほど、いいもんじゃない。

本当に生き抜きたいなら、かごの中で魚を与えられるのを待つだけの日々よりも、空に飛び立ち海や川を泳ぐ魚を自分で獲得する日々のほうがよっぽど充実感がありそうだし実際そうなのだが、ひとたび「魚って自分で釣らなくても貰えるじゃん」という学習をしてしまうと、釣り方のマスターには関心を示さなくなる人の方が圧倒的に多い。

そして、サバイバルには自分で魚を釣れる人になるほうがよっぽど大事だったのだ、と後日気づいても後日どころか後三十年ぐらいがとうに過ぎていて、時すでに遅しだったりもする。

しかし本当に遅いのかどうかといえば、何歳でも心から望むことならやればいいし、ゼロからのスタートをその時に心から応援してくれる人こそが友人なのだけど、そんな人間関係は築けていなかったりして、世間体や見栄や恐れや自意識過剰があるから自分の建て直しにはとりかかれないまま、言い訳を積み重ねて、できるチャレンジといえばせいぜい誰からも反対されない程度のことで、そのままなんとなく一生を終えていく。

 

だって、女性は男性よりも一度覚えた贅沢な生活からレベルを落とすことが難しいから。それが自ら得た生活ではなく、運ばれてきたものならなおさら惜しくて捨てられない。背水の陣で戦って自分の限界を突破するような経験なんてしたことが無いし、する気も無いのだから、自己効力感が培われていないのは当然だ。だから同等レベルの生活を今さら自らの努力でゼロから得るほど腹もくくれない。空虚は不満はあるけれど、自助努力じゃなく、やっぱり誰かに埋めてもらいたい。そこが彼女たちの苦しい胸の内だったりする。

私の印象としては、開き直れるほどの図々しさはない人の方が多くて、実はいつも軽い絶望と共に生きている籠の中の鳥状態、という感じです。したがって、加齢とともに前者は認知症になりやすく、後者は神経症的傾向が強くなります。

ちなみに顔よりも交換レートが高いのは「家柄」でしょうか。男性は自分に備わっていない家柄を金と交換して自分のスペックを増やしたいし、ブルジョワはブルジョワ同士で結婚して階層を維持する。