ロレッタブログ

硬い笑顔 - 2015.12.16

しばらく前の新聞のコラム。当の本人は気づいていないことが多いので指摘もしづらいですよね。ロレッタでもよく話題に上ります。硬い笑顔、あるいは冷たい笑顔とでもいいますか。なんともいいがたい「不自然さ」は表情にダイナミックさが無くなるせいじゃないかと

とはいえ、美容は「主観の満足度」を優先する方が多いので、自己満足とナルシシズムにとことん浸れる人であれば、いくら変な顔になっても本人的には問題はないのでしょうが。しかも、大抵の女性は鏡を見る時は無表情かやや笑顔ぐらいなので、自らの表情のバリエーションって動画撮影でもしない限りまじまじと見る機会はまず無い。なので、感覚が麻痺してきてエスカレートしてしまうのも無理はないのかも。面と向かって「あんたやりすぎよ」とか「前のほうが良かったわ」と言う人ってほぼ皆無でしょうから、美容面においては手厳しい友人を一人押さえておくのも大事なことかも。忌憚ない意見を述べてくれる主治医も大事。なにごとも「ほどよい加減」に辿りつくのは大変です。
ご自身の美意識と経済的余裕と術後のみならず経年のリスクも考慮しつつ、心底信頼できる主治医にたどり着くまでは、根気も信念も情報収集の熱意も相当なレベルで必要だと思います。特に日本は「いじったかどうかバレない範囲でのきれいさ」を目指す人が多いですから。「せっかくやるなら歴然ときれいにならないと」ではないので。きれいなお顔に生まれてきたのね、ぐらいに留めておきたい気持ちはわかる。
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ボトックスは顔の上半分の目・眉・額に打つことが多いので、やりすぎると鼻から上の動きが顕著に変わります。笑ったり怒ったりはしゃいだりといった「感情の振れ幅」は「表情の振れ幅」でもありますが、もともと日本人は欧米人ほど目で感情を語らないので、ボトックスをやりすぎてしまうと輪をかけて表情が無くなってくるように思います。

凹みを埋めるフィラー(注入物)は、従来は法令線や頬の利用が多くみられましたが、最近は額も増えているかな。額は丸く出ているほうが若々しく見えますが、ネットでみる女優さんの画像は額の注入物が「第三の目」のごとく盛り上がっている場合もあったりしてホラー映画的なことも・・・。

あと、注入物はしこりになって残ってしまった人も結構多い。注入の深さのミスか、異物反応で固まったのか?それとも「ヒアルロン酸100%」のはずが不純物が混じっていたとか?皮膚の硬さや厚さに適した濃度の注入物の選択を間違った可能性も高い気がする・・・私も手持ちの美容外科の専門書を読みながら考えます。もっとひどい場合は組織が壊死しちゃうのでシャレになりません。せめてしこりになった異物を分解する注射とか開発されればよいのですが、それもどこまで分解されるかにもよりますものね。本来の皮膚組織まで分解されて陥没、とか起こると本末転倒だし・・・。実際にヒアルロニターゼとかありますものね。

凹んでいるところが凸状になるぐらいあらゆる凹みに注入していると、顔の下半分がどんどん丸く大きくなっていくような気が。注入物で凹みの全てに対処するのって無理があるような気が。昔よりも大顔になっていく女優さんやタレントさんの写真をみるたびに「既にすごい丸顔なんだけど、一体どこまで顔が膨らむのかしら」と観察してしまいます。上半身だけ写しているときはよいのでしょうが、全身を撮った時には顔が異様に膨らんで全身のバランスが妙なことになっているのではないかと心配になります・・・。

ロレッタのお客様の女医さんと「近いうちに『整形手術で失敗した人を修復する名医』みたいなのが出てくる。失敗をなおすための治療法とか薬剤もこれからすごく進歩しそうだよね」なんて話していたのですが、最近はそんな動きも顕著です。5年後10年後の技術が楽しみでもあります。