ロレッタブログ

【年代別エステに通う頻度】50代~60代の場合 つづき - 2018.06.17

昨日の続き
ホルモンは、生体にとって最小の量で最大の変化をもたらす物質です。
では閉経後に減少した女性ホルモンは、減少分をどのように補おうとするのでしょうか?

実は、身体は閉経により卵巣からの女性ホルモンの分泌量が減少すると、エストロゲンを皮下脂肪から分泌しようとします。エストロゲンの分泌量は20~30代にかけてピークを迎え、その後は下がるのですが、閉経後の脂肪増によりエストロゲンが再び生み出されると、エストロゲンに暴露され続けることで乳がんなど婦人科系のがんの発症率が高まると言われています。

また、エストロゲンによりつきづらかった内臓脂肪は、更年期を境に男性と同様につきやすくなるため、お腹が内側からせり出してきます。だから、ウエストは最もサイズ変化が大きいのです。さらに筋肉が減ると、二の腕や下腹部、お尻の皮下脂肪がユルくダブついてきます。運動を避けてきて、筋肉量は減り、更年期で女性ホルモン分泌が低下し男性ホルモンの比率が高まると「女らしくするのももういいや」と投げだしやすい。60歳以降の女性ホルモンの分泌量は0歳時と同じなのですから。

【更年期に太りやすくなる心身の負のスパイラル】
・加齢による基礎代謝量の低下
・運動不足による筋肉量の減少、代謝の低下
・ホルモンバランスの乱れによる全身の機能低下
・自律神経失調
・精神的に老化していると新しいことにとりかかることに億劫さを感じる
・「もうお洒落とか綺麗でいたいとか、いいよね」「今更もう何をやっても無駄よ」というあきらめ

この一番最後の「あきらめ」と「億劫さ」が最大の敵です。私が常々「自分の一番の味方は自分。自分の一番の敵は自分」と言うのはこういうことです。

人間は自己愛から認知的整合化を保ちたがる生き物なので「悪いのは自分じゃない」と思いこみたいんですよ。だから「水を飲んでも太る体質」「肥満遺伝子があるのかも」「食べてないのに太るなんて、身体がどこかおかしいに違いない」と言ったりします。エクササイズや美容を頑張っている人をみると「馬鹿じゃないの」と言うようになったり。この時期に再婚した人がいれば「いい年してみっともない」と揶揄したり。本心では諦めてしまった自分へのいら立ち、素直に「私もそうなりたい」と言えない自分への怒り、自己嫌悪や葛藤、相手にしてくれる人がいない寂しさなど、溜まりにたまったものがあり、それが自己正当化のために揶揄や批判となり噴出します。良い妻を演じるのは、自分の生活のレベルを保ちたいという自分本位の打算も混みのはずなのに、そういう己のエゴを男性だけの責任にして押しつけるとかも同様ですよね。

このように、更年期から高齢期は、女性美を捨てると同時進行で人格と品性の低下も招く時期でもあります。
女を捨てて人間的にも一気に老けこむか、踏みとどまって自己ベストで女性美と品性を保ち続けるかは、やはり閉経前の40代からお手入れと生活習慣を見直して臨んだ方がよいです。どうにもならなくなってから生活習慣の全方位を見直して向上させるのは、あまりにも大変。だから、くじけてしまう人が多いのです。やはり、ことが大きくなる前に手を打ったほうがよいのです。50代を無防備に迎えてしまった方は、崖っぷちにいることを認識して、まず今よりも悪化させないために真剣に改善に取り組んでいきましょう。

「ある日いきなりシミができた」とか「法令線が急に出てきた」とおっしゃる方もいます。ご本人は去年と今年の写真を見比べてもあまり大差ないと思っているかもしれませんが、3年前と現在では確実に老化しているのです。5年前とは全く違うのは歴然でしょう。老化というものは、この世に生をうけた瞬間から、波打ち際を浸食するように日々じわりじわりと打ち寄せて、進行するのです。50台前後は、油断するとあっというまに老化の坂道を転げ落ちるのです。50代で運動不足のツケがまわり、筋力低下の激しい方をみると「70代で寝たきりかな」と思います。しかし、本人が危機感を覚えて改善につとめないと、こればっかりはどうしようもない。

どうにもならなくなってから「まさか自分がこうなるとは思わなかった」という声も聞かれます。しかしその言葉は正しく表現するならば「自分もこうなるとは思いたくなかったから、ずっと目をそむけていた」でしょう。一歩外に出れば足元がおぼつかない高齢者は沢山見かけます。そういうおばあちゃんにも、若々しい娘時代、魅力に満ちた女ざかりがあったのです。杖で歩くおじいちゃんにも、溌溂とした青年時代があったのです。きっとそれぞれに「まさか自分が」と思っていることでしょう。

身近な人、「まさかあの人が」という知人の死、年齢が近い人の死に頻回に遭遇しはじめるのが50代です。自分の人生は残り時間のほうが少ないことを実感します。誰でも平等に訪れるのが老化です。寿命は命の残り時間です。「自分だけは例外」ということはありません。数十年もぼんやり生きてきたことをこの年齢になって悔やむ方は少なくないです。

私の見てきた限りの経験ですが、ミッドライフクライシスは早い方で30代後半~40代前半に訪れているけれど、多くは40代後半~50代前半かな、という印象。
■複雑な女性の「ミッドライフクライシス」

この世代には、病気療養中で思うようにエステに来られない方もいらっしゃいます。そんなお客様のためにスタートした出張・訪問エステも、実はニーズが高いです。思うように外出できないときでも、自分が少しでも自信をもって自分らしくいられるように、エステを受けることで精神的にもかなり安定するようです。
「お見舞いを申し出てくれる友人達に会いたくても、お手入れできていない肌をさらすのはしのびない。とはいえしっかりメイクアップする場でもない。エステでお肌を血色よく綺麗に整えてもらってからお会いしたい」という気持ちの在り方が、私はとても奥ゆかしくて素敵だと思います。
→■ロレッタの出張・訪問エステ

自分を磨く生活習慣、毎日のケア、そして定期的なエステでのお手入れを長く続けた70代、80代の方を見ると、やはり若い頃からの高く保たれた美意識と習慣にまさるエイジングケアはない、と痛感します。

80代は、昨日元気だった人が、翌朝亡くなっても珍しくありません。70~80代のお客様からは「死ぬときは大動脈解離か、クモ膜下出血か、末期がんで死にたい。苦しいのとか痛いのとか、他人に迷惑をかけながらダラダラ生きるのだけは嫌」という声が聞かれます。死に方、終わり方は、本当に難しい。ですがどう生きるかは、死から逆算しなければ定まりません。だからもっと自分のことを好きになるために、できることはとことん、今からでもやりましょうね。死の間際に「私の人生こんなはずじゃなかった」なんて言わないために。