アルコール依存症はぬか漬けのきゅうりが生のきゅうりにもどれないのと同じ - 2019.06.13
昨日のつづき。
この本はとにかくお勧めです!!
インタビューでご自身の依存症について語っているのは、コラムニストの小田島隆さん。20代~30代は重度のアル中だったそうで、 当時の医者には、「30代のうちだから、あなたはちょっと困った酔っぱらいぐらいでいられます。40代になったら酒乱。50代で人格崩壊。そして、60代になったらアルコール性脳萎縮で痴呆になるでしょうね」と告げられたのだとか。
私は常々「美しくなるにはまず賢くなりましょう」とお伝えしていますが、それと相通ずることが記されていました。それについても、後日改めてご紹介しますね。
浅部:私は食べるのが好きで、食べ物に合わせた酒を飲むのが好きなんですよ。だから、食べ物と一緒に、おいしいなあと思いながら飲みたいです。あとは、人と楽しく会話しながら飲む。それが一番ですね。
小田嶋:私は最高も何も、もう飲めないですからね。 吾妻ひでおさんのアル中体験を書いた漫画に、「アルコール依存症は不治の病気。一生治りません。ぬか漬けのきゅうりが生のきゅうりにもどれないのと同じです」というお医者さんのセリフがあるんですよ。
葉石:なんとわかりやすい例え……!
小田嶋: 私は今、20年間酒をやめています。しかし、今でも一度飲んだら、依存症の状態に舞い戻る。これは確実です。だから皆さんにとっての最高の飲み方は、多量飲酒者(ハイリスク群)とアルコール依存症の間にあるレッド・ラインを超えないことだ、と言っておきましょう。
葉石:やはり、多量飲酒者であることと、アルコール依存症になってしまうことの間には、大きな壁があると。
小田嶋: その一線を超えると、帰ってこられないですからね。アルコール依存症になって酒をやめるというのは、元の生活に戻るということではありません。今までと別の人生を歩むということなんです。サッカー選手がサッカーできなくなってタクシー運転手になった、とかそれくらいの話。
断酒を始めたころ、いろんな人に「酒をやめるってどんな気分ですか」って聞かれたんです。それで、何かの原稿に「翼をなくした鳥みたいなものだ」と書きました。本当に、鳥が歩いているような気分だったんですよ。
葉石:もともとは空を飛ぶように生まれたのに。https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/14/091100031/062100575/?P=4
小田嶋: 今でも飛んでみたいと思うけれど、そうすると必ず墜落するってわかってるから、やりません(笑)。だから、そんなことにならないように皆さんは気をつけてください。
中川 小田嶋さん、オレ、これを詭弁と捉えられることもあるんだけど、オレがアル中じゃない根拠言っていいですか?
小田嶋 どうぞ。
中川 オレはあくまでも「ビール」が好きなんですよ。
小田嶋 なるほど。
中川 たとえば、編集者なので、「記事書いてね」という意味も込めてメーカーの人から発泡酒を送ってもらったりするじゃないですか。あとは家で宴会とかする時、チューハイとか焼酎とか持ってくる人がいるんです。
小田嶋 はい。
中川 でも、オレはビール以外の酒には一切手をつけないんですよ。つまり、徹底的にビールしか飲まないということは、「オレはビールの味が好きなだけであり、アルコールが好きというわけではない。大好きで仕方のないビールという飲料の中にたまたまアルコールが含有されていた」ということを意味するんです。
小田嶋 典型的な詭弁ですね。
中川 えーっっ!!
小田嶋 オレもアル中の時は、実家とか帰って酒が自由に買えない時あるじゃない。その時、アルコールが入っていれば何でもいいや、と親が健康のために飲んでいたマッズいニンジン酒なんて飲んじゃうのよ。中川さんだって、たとえば大震災が発生したりしてビールが買えない状態になったら家にある焼酎とか発泡酒とか飲んじゃうはずだよ。
中川 ……。
小田嶋 場合によってはオレが受診した心療内科、紹介しますよ。https://cakes.mu/posts/3126
中川 ……。はい、お願いします……。