ロレッタブログ

実は足りているプロテイン - 2022.02.12

閉経前後ぐらい、具体的には40代後半、もっと具体的に言うと47歳、48歳くらいから慌てて運動を始める女性が多いです。普通に歩いているだけでも、ふらついたり、転んだりすることが増えるからなんですよね。片足立ちでふらついたり転びやすくなっているこの時点で既に「要介護」の一歩手前の「要支援」の状態に陥りつつあるということを、理解している女性は果たしてどのぐらいいらっしゃるでしょうか?

慌ててプロテインパウダーを買い求める人も多いのですが、ここで心得ておきたいのはプロテインを摂っただけで運動不足がチャラになることはない、ということです。運動不足の人はそもそも空腹になりづらいので、低栄養(昔の言葉なら「栄養失調」)でおのずとタンパク質を含む全栄養素とカロリー摂取量が不足し、胃壁も薄くなり、ますますお腹がすかなくなります。

『運動不足→お腹がすかない→低栄養→消化吸収機能低下→筋肉を含む全身の機能が低下→さらに運動量減少・・』という負のスパイラルのせいで、筋肉減少に自ら拍車をかけている人が多いように感じます。

実際に、家族とご自身の日々の食事を何十年と任されてきていたはずの専業主婦や薬膳やハーブの講座で勉強したはずの人、贅沢品の出費は惜しまずジュエリーや外車を楽しんできた人が、運動不足と栄養失調で美容面も健康面も全身の衰弱が顕著になり、フレイルからロコモへの発展をまっしぐら・・・とか、ジョークで済まされない事態に陥っている人も散見されます。こういう人は、1駅歩くとかスーパーまで歩くを運動と勘違いしている人がいますが、それは運動ではなく日常動作です。これができないなら要介護目前です。などと私が言ったところで聞く耳を持たなかった人が、上記のような衰弱の一途を辿ったりしているので、どうにもこうにも難しいですね。

運動は、「少しきついぐらいの運動」を「最低1時間以上」で、盆暮れ正月関係なく「毎日」の励行が必要です。こんなふうに、自律的に生きることをさぼった人はさぼってきた分だけ、ツケの支払いが大変になりますから要注意。

ただし、消費者として注意しておきたいのは、巷には食事よりもサプリメントやプロテインによる栄養摂取をやたらと啓蒙するドクターもいますが、多くの場合は実はプロテインは毎日の食生活で足りているのです。下記の図を見れば、30代の働き盛り世代で、ちゃんと生きていればちゃんと食べられている量なのがよくわかると思います。

もし30代で、この量と品数が「多すぎて食べられない」という人は、暦年齢が30代なだけで、実情はまぎれもなく「衰弱した高齢者」です。年齢以上に身体機能が老いている人は心も不健康ですから、ちゃんと生きる基本はちゃんと食べると心得て、ちゃんと食べられないのは心身共に不健康な生の証、と心得ましょう。

高齢になると、体内のタンパク質「合成機能」よりもタンパク質「分解機能」のスピードが上回ります。骨と同じですね。そしてタンパク質は食べ貯めができない栄養素ですから、1日3度の食事で若いころと同じたんぱく質摂取量を心がけながら、運動量と頻度は増やしていかなければ今の身体機能は維持できません。解決策は、安易にプロテインに頼らず、日々の食事をもっと大切にして、より多く長く動く事なのです。下記の図を見れば、1日で十分に摂取できる量なのがお分かりいただけますよね?

ちなみに、当サロンのお客様にはこの手のドクターに見積もってもらった方が数人いらっしゃるので、どんな様子か聞いてみました。すると「1か月のサプリ処方代が15万円以上」はザラのよう。「それにプロテインを追加したら20万円」「微量栄養素までまんべんなく処方してもらったら、30万円か40万円以したかな?」だそうです。唖然、ナニソレ、アリエナイ!!権威になびくいわゆる自分の頭で考えない無知な消費者ほど、そういうのを真に受けて購入してしまうのかもしれません。医療従事者にもモラルが求められる時代なのは重々承知していますが、それにしてもね・・・。

サプリメントは「栄養補助食品」であり、その役割は文字どおり「補助」です。「主」は何かというと、毎日3度の食事ですよね?毎月の自炊費用をはるかに上回るようなサプリメント代は、そもそも本末転倒でおかしいと、ぜひ気づきましょう!

各画像の記事は下記からどうぞ。

→〇日経 実は足りているプロテイン

→〇東京都福祉保健局「食べる」フレイル予防