ロレッタブログ

フードシステムのダブルピラミッド - 2023.10.27

フードピラミッドを調べていたら、「ダブルピラミッド」なるものを見つけました。温室効果ガスの原因は、フロンガスが一時期問題視されていましたが、実はそのほとんどは牛のゲップというのは、私は確か小学校5年生の頃に知って驚いた記憶があります。

これと並んで気にしたいのは、フードマイレージですよね。地元や近隣の地域で摂れたものを主に頂くというのが、無理なく誰もにとって続けやすい食材の調達方法だと思います。周囲と調和しながら、生きていくことを考えれば、フードマイレージも環境負荷も踏まえつつも、結局は食材の摂取割合は、オーソドックスなものに立ち返るのが、この図からもよく分かります。

バリラ食品栄養センター(Barilla Center for Food&Nutrition、パスタで有名なイタリアのバリラ社グループのシンクタンク)は、フードシステムの「ダブルピラミッド」を考案しています。これは、健康的で環境的に持続可能な食事のスタイルを説明するための図です。

ダブルピラミッドとは、「健康」ピラミッドと「気候」ピラミッドです。 左側の三角形で示される「健康」ピラミッドでは、下位の面積が大きいところに位置する食品をより頻繁に食べることが推奨されます。右側の逆三角形で示される「気候」ピラミッドでは、上位の面積が大きいところに位置する食品がより大きな影響を環境に及ぼすことを示しています。
健康ピラミッドでは主に心疾患への影響(より一般的な健康への影響や動植物別の由来、栄養特性も考慮)によって、また気候ピラミッドではカーボンフットプリント(二酸化炭素排出量)によって、18の食品群が7層に配置されています。

健康と気候のピラミッドを並べて配置することで、バランスの取れた健康的で持続可能な食事がどのようなものかが直感的に示されます。健康に良い食品と、環境負荷の低い食品は似通っていることがみてとれます。このモデルは、健康と環境に配慮した食事スタイルを取り入れることを促し、環境や気候変動に対する食品選択の影響を減らすことを目的としています。

https://www.jircas.go.jp/ja/program/proc/blog/20210517

ただし女性の場合は、月経や出産などで鉄分は特に不足しがちな栄養素なので、赤身肉や赤身魚は摂取して欲しいのですよね。実際には肉を避けすぎている人がまだ多そうな気がします。そういう私自身も、赤身肉は意識して摂らないと食べなくなりがちなので、意識して摂るように努めています(汗)。その反対に、男性は肉やお酒を摂りすぎる傾向が強いので、ちょうどその真ん中あたりでバランスを取りたいですよね。

気になるのは、肉や炭水化物を全てカットしたり、カロリーを極端に制限したりなどの極端な食事療法で、ご本人も意図せぬ間に栄養失調に陥り、肥満か痩せすぎに二極化している女性が決して珍しくないことです。命を繋ぐために必要な必要最低限の栄養が足りていないからこそ、極端な体形になるわけです。

具体的に何が起こるかと言うと、とにかく体調を崩しやすくなります。例えば風邪などの病気に頻繁にかかりやすい、お肌もスキンケアが追い付かないほどの重度の乾燥やざらつき、炎症で全体的に赤みを帯びている、年齢に関わらずハリが低下していたり、などが起こります。

そして、生きるための栄養が足りていないということは、脳も栄養失調ですから、メンタルや情緒も不安定だったり、常時低空飛行が当たり前・・・みたいになってしまいます。生理は子孫を残すためですから、ご自身が生きるためにギリギリの状態の時は不定期になったり、止まったりします。

これでは生き物として決して健やかな状態にあるとは言えませんが、おそらくご自身でも「何か体調がすぐれない」と感じている人が多いと思います。私がもっと気になるのは、それすらも「疲れやすい体質」みたいに片づけてしまいやすい女性が多いことです。

そうでなくて、朝スッキリ起きられなかったり、寝つきが悪かったり、日中のパフォーマンスが不安定だったりなどの、「どうもベストコンディションと言い難い日が多い」というのは、やはり体質の問題というよりも、生活習慣、つまり睡眠、う運動、そして栄養などの、私たちの生命活動をサポートする基本的な三本柱のいくつか、またはいずれかが相当偏っている可能性が高い、と言う風に、立ち止まって考えて欲しいのです。

かといって、やけっぱちで「もう自分のことなんてどうでもいいや!」とやけっぱちになる人は実は稀で、本心では何もかも手遅れになる前に、何とか回復させたい、というのは心身の健康も地球の環境も同じだと思います。

生活習慣をコツコツ見直して変えていくこと。このブログはいっつもこればっかり書いているので、本当に変わり映えしないなと思われているかもしれませんが(苦笑)、やっぱり生命活動の3本柱の習慣がもたらす力は偉大なんです。

20代や30代前半など、まだご自身の回復力が高いうちはその重要性に気づきにくいのは無理もないことです。が、年齢を重ねたときの不調続きは、ご本人が何よりもしんどいはずです。心も体もあまりにも低空飛行が数週間、数か月、あるいは数年も続くようなら「もっと酷くなったらその時に考えよう」などと先延ばしせず、ぜひ栄養士に一度相談するなり、運動をトレーナーに相談するなり、睡眠も時間やベッド周りの環境を見直したり、精神科を受診したりカウンセラーに相談するなど、躊躇せずその道の専門家の手を借りてみてください

年齢を重ねた人ほど仕事や家事などの経験の蓄積を数十年というスパンで積んきているはずですから、それと同様に1つのことをとことん極めた専門家という存在の価値も、きっと若い頃以上によくわかると思うんです。

一見まどろっこしいぐらい遠回りで、長く時間がかかりそうな小さなことから1つ1つ改善にむけて毎日取り組むことが、実は最も成果という実を結びやすい、というのは、ダブルピラミッドの意義とも全く通じます。