ロレッタブログ

ベアフットシューズは万人向きではない - 2024.05.27

私のこのブログを読んで、ゼロドロップのシューズに興味を持たれた方が多いようですが、まず皆さん履けないので、最初からいきなりゼロドロップのスニーカーは履かないほうがよいです。

現代人は、足関節・股関節・肩関節・胸椎が非常に硬く、O脚X脚XO脚など膝にねじれが発生している人が大半です。なかには20代で既に膝に痛みがあったり、それ以外にも反り腰、曲がり腰、猫背、頭が前に出たゴリラ姿勢など、本来S字カーブの背骨にも様々な偏りが発生しています。

ですから、少しずつ踵の高さを低くしていくという風に、段階的な移行を実践してください。もちろん、ゼロドロップシューズに適した歩行の習得も必要です。歩行は無意識に行う動作ですから、それを変えるには大変な時間と量が必要です。つまり、ゼロドロップを履いて正しく歩くには、ただ漫然と靴を買い換えていくだけではなく、体幹をふくめた全身の柔軟性と筋力の向上や、ご自身の全身を正しい位置に調整する内観力も大変重要なのです。それらを向上、獲得せず、自分の体や動きを自己調整する能力もない人がいきなりゼロドロップを履くと、膝や頸椎や腰椎の怪我につながる可能性があります。

高齢者が歩く姿が遅かったり、あるいはバタバタと足音を立てて歩いているのは、筋力が低下してバランス力が低下し、股関節と足関節と胸椎の柔軟性が低下したために歩幅が狭くなり、その補填するために頭を前に振りだして背骨を丸く猫背にしています。つまり、重心を前方に振り投げるようにして歩数を稼いで前進しようとしています。そのような歩行をしている人を観察すると、足裏の内在筋も使えておらず、足首も硬くなっているので、膝下から足先までを引きずるように歩いていることにも気づきます。

このような歩き方をしていると、絨毯の厚みのような数ミリの段差にもつまずきやすくなります。残念ながら、実際にこのレベルまでロコモやフレイルが進行してからゼロドロップを目指そうとしても、その道のりはかなり険しく厳しいというのが実際のところでしょう。ゼロドロップシューズは、いつどこで誰が履いても足が良くなるという靴ではないのです。それを履きこなすためには、やるべきことが山ほどあります!焦らず急がず、本来の足の機能をサポートするゼロドロップシューズを履きこなせるぐらいの機能改善を目指して、今やるべきことに取り組みましょう。

↓↓最低限到達したいのは、こういうエクササイズが「朝飯前過ぎて運動にならない」ぐらいでしょう。もしこれらのエクササイズを数回やったくらいで「きつい」と感じたり、まともにできないのなら、ゼロドロップシューズを履くことは、私個人としては全くお勧めしません。繰り返しますが、改善には地道な取り組みが必要です。

むしろ現代人は、コンクリートやフローリングやタイルなど硬い床面の上で1日仕事をする人が多いでしょう。そうした環境下では、やや踵に高さがあるスニーカーのほうが快適でしょう。ここで間違えないでいただきたいのは、あくまでもわずかなヒールのあるスニーカーであり、決して流行の分厚いソールで高反発するシューズではない、ということです。また、踵が高すぎるシューズでは回内しやすくなる人が多いので、あまり高いのも好ましくはありません。

結論としては、少し低めのソールのシューズの中にナボソのインソールを入れるとか、トゥスプレイも着用する、などの工夫を施した方が、一般の方は快適に過ごせるでしょう。

この動画↓↓でも、ゼロドロップのスニーカーとしてゼロシューズが紹介されています(私も数年前にアメリカから輸入しました)。VivoShoesであれ、ゼロシューズであれ、つま先が広くてゼロドロップなのは同じですが、やはり動画4分30秒目から、Nike alphaflyのようなハイパフォーマンスシューズで走るにしろ、完全なゼロドロップシューズにしろ、全身のベースラインの強化がまず必要であり、少し踵に高さのあるシューズのほうが、硬い床面の上で1日仕事をする人には快適、高いヒールも過回内をコントロールする足の制御能力が必要、ということが語られています。

この動画のフルバージョンはこちら。↓とっても面白いのでお勧めです!