ロレッタブログ

闘争か逃走か(fight or flight reaction) - 2020.03.23

先日のブログで(https://lorettaloretta.com/2020/03/41153/)「免疫を最も低下させるのは孤独」と書いたけれど、とってもわかりやすい動画がありました。空腹と同じぐらい根源的な欲求。

 

私はいろんなことをはっきり言うほうですが、それでもこのブログのように不特定多数のかたが読むオープンな場でお伝えすることと、サロンやセッションなどクローズドの場で、顔が見えて、かつある程度の信頼関係が担保された方々にお伝えすることは、分けています。信頼できるクローズドのコミュニティから得られる情報を持っている人と、そうでない人の差は、こういう時に大きいです。

私が今回のコロナ騒動で特に気になるのは、もともとある程度の年齢に達していて、日ごろから人間関係で孤立しがちな人は(天才は別として)、さらに孤立を深めていきそうだな・・・ということ。実はそういうふうに性格が歪んでいる人のお話を、結構な頻度でお客様からうかがいます。当サロンのお客様は勤勉で柔和で賢明な方が多いのですが、そういう堅実なお客様たちが距離をとるぐらいの人って、相当に難儀な人なんだろうなあ・・・と推測できるんですよね。

わたしは本気でムカついたら椅子蹴り倒して出ていくぐらいのことを平気でやるので、みなさまの我慢強さを少しは見習わないと!と思うほどです(苦笑)。

孤立しがちな人達がさらにストレスにさらされると、元々低かったオキシトシンやセロトニンの分泌は、さらに低下します。いっぽう、ストレスホルモンのコルチゾールやノルアドレナリンなどの分泌は高まるばかり。 動画を見てもわかるとおり、慢性的な孤独にさいなまれている人ほど、疑心暗鬼に拍車がかかり、更に孤立を深めます。人の言葉を素直に受けとったり、感謝したり、頼ることが、ますますできなくなります。

このイラストのFight or Flight Reaction(闘争か逃走か反応)はご存知でしょうか?このどちらかに極端に偏っている人に、心当たりのあるかたは多いと思います。正直、コミュニケーションがとりづらい人達です。今みたいなご時世だと特に増えていませんか?

https://www.armg.jp/journal/118-2/

「闘争か逃走か反応」は 緊急時の適応反応としての極度の緊張状態です。これは悪いことではなく、生命維持のために必要な生体反応ですから、誰にでも起こりますし、いずれは元に戻ります。野生ならこういう状況下って、あんまり長く続かないはずなので、短期で済めば問題はありません。たとえば野生ならこのイラストみたいな時でしょうか。逃げきれずに食われて死ぬか、戦って勝つかのどちらかなので、まず長期戦になり得ないんですよね(笑)。

https://deathtobob.wordpress.com/2018/09/04/fight-or-flight/

しかしこの状態が頻回に、あるいは長期間にわたって続いた場合は、さて一体どうなるでしょうか?実はこれら一連の生体のストレス反応が、もう元のレベルまで戻れなくなるのです。心身がそんな風になってしまうほどストレスフルな生活ということは、生活習慣も乱れていて、慢性的に体調が悪く、 思考も視野狭窄的で柔軟性が無い場合が多いだろうから人間関係もいつも悪くなりがちでしょう。つまり、問題を抱えている人ほど病気になりやすい、ということなのです。これは健康情報に詳しい方でなくても、なんとなく想像がつくのではないかと思います。

そして、常に変化の激しい外界(ストレッサー)と折衝している呼吸器系には特に症状が現れやすいです。この世に誕生してから死ぬまで絶え間なく繰り返す呼吸という生命維持機能で取り込まれる空気に混じっているウイルスに、免疫系が十分に機能できずに負けてしまうというのは、そもそも全身が炎症で焼けだるま状態なぐらい、コンディションが悪いからです。

明日は呼吸器系の感染症とはいえ、風邪の例ではありますが、カーネギー・メロン大学の心理学者シェラルド・コーエン教授の Social relationships and susceptibility to the common cold という研究をご紹介しますね。