ロレッタブログ

私たち医師は、死に直面している人を全力で助けます。死にそうにない人は、全力で、自分で自分を助けてください - 2020.03.28

うちはお客様にドクターが多いので、いろんなお話を伺います。そうした中で考えていたことを、ばっちりまとめた記事を見つけました!今日のブログに最後にご紹介しますね。

コロナは、ほとんどの人はかかる覚悟をしておいた方が良いです。インフルでさえ検査の精度は100%ではなく、無症状者は2倍以上はいるといわれています。

交通事故や他の病気で治療が必要な患者の治療を妨げたり、医療従事者が休養できず重症化してしまうなどの医療崩壊を防ぐためには、まずは病院に運び込まれる重症患者や死者の増加のピークを減らすこと。万が一、自分や大切な人が重症化したときに、医療機関が回らなくなっていて満足な治療が受けられなかったら、困りますよね?

そのために、1人ひとりができることは(1)手指消毒、(2)ウイルスを大量に取り込まないようための換気、(3)自分の体調管理、と超シンプル。

対岸の火事でいたい人には煙たがられそうですが、(3)の意味は「自分がかかる前提で腹をくくり、かかった時に速やかに自分の免疫系でウイルスを撃退(回復)できるように、常日頃から自分の体調管理につとめる」ということです。くどいですが、重症化するか稀に死ぬかは、本人のヒトとしてのコンディションにかかっています。脆弱な高齢者、メタボ、痩せすぎの栄養失調とかはいずれも高リスク。しかし若いからと油断しても、肺炎は命取りです。予想されるシナリオとしては、こんな感じでしょうか。

●ワクチン開発も1年以上かかるので、現実的には最短でも2年ぐらいかけて多数の人がかかり、抗体獲得が進み、一般的な感染症扱いになる。総死者数はあまり減らせない前提で、発生のピークを遅らせたい。そのために上記の(1)(2)(3)を徹底励行して各自が備える。

●ウイルスにしてみれば、寄生先(ヒト)が死ぬのは生存戦略としては失敗。したがって、ヒトが死なない程度にウイルスが弱化する。

●最悪のシナリオは、ウイルスがさらに強くバージョンアップする。しかしこれはウイルスの都合なので、ヒトにできることはない。全人類が淘汰された地球上に最後に残るのはバクテリア。そして地球は始まりに還る。←これは想像していて個人的にはかなりウケたのですが、確立としては低そう。

結局、我々ができることは(1)手指消毒、(2)ウイルスを大量に取り込まないようための換気、(3)自分の体調管理、です。

以下、紹介します。長文ですが、ぜひ全部読んでください。

→●ある医師がエンジニアに寄せた“コロナにまつわる現場の本音”

若者にとっては、世界線A~Dのどれであっても致死率はほとんどインフルエンザと変わりません。医療崩壊の危険が去ったあとなら、いつ感染しても特に問題ないでしょう。一方、高齢者にとっては、余命の間に世界線A、B、Cに到達することに賭けるより、感染を予防することに徹底した方がいいでしょう

 問題は、ざっくり中高年と呼ばれる世代です。世界線A、B、Cへの到達が早いなら「感染を徹底的に予防しながらじっくり待つ」というのが最適戦略です。

検査キットの開発が進んでいるとの報道にも、現場に近い医師ほどうんざりしています。

 前述の通り、開発に十分な時間のあったインフルエンザのキットでさえ、偽陰性が一定の割合で存在することが常識なのですから、当然ながら急造のキットに完全な精度は期待できません。にもかかわらず、大量に世にキットが出回りそうになっています。

 社会貢献していると信じて提供しているのかもしれませんが、社会的な負の効果は、RT-PCRの比ではないと思われます。パンデミック騒動が終わって、落ち着いてから、精度をきちんとコントロールして、それから出荷して欲しいです。

 現時点において、正直なところ、私たち医師は、その検査キット、要りません。大迷惑です。

 繰り返しになりますが ――

(1)臨床的に死にそうなら治療します。しかし、臨床的に無治療で命の危険がなさそうなら取りあえず家で寝ていてください。

(2)軽症者にCOVID-19かどうかを特定した場合、医療資源に余計な負担をかけることになるので、負担に見合う以上の意味があるかどうか、意義をよく見極めてください。特に、ドライブスルー検査などの無差別検査を実行するか、本当によく考えてから、判断してください。

 総じて、「私たち医師は、死に直面している人を全力で助けます。死にそうにない人は、全力で、自分で自分を助けてください(感染しても発病しないように、よく寝る、よく食う、良く休む。もし発病したら、部屋に閉じこもって、よく寝る、よく(以下省略))。COVID-19とは、そういう病気です

―― と申し上げます。

 ただし、例え高齢でなくても、持病が無くても、「今までで最悪のインフルエンザの経験よりさらにつらいぞ」「風邪なんだけど少し動くだけで息切れもする」「その他、なんだか表現しづらいけれどとにかくヤバイ」ときには、ためらうことなく病院に行ってください

 現役世代の社会人、特にブラックな環境(江端さんのストレス性?不眠をコラムで拝見するとブラックな環境での労働をイメージしてしまいます)にさらされている人は、有症状時に会社を休む勇気を持ってください。まれですが、死ぬことがあります。私の駄文に付き合って受診をためらって命を落とすなんて、バカバカしすぎます。

 そして、企業の経営者の方がこの文章をもしも読んでいるのなら……。今回の騒動が収まらないと企業は利益どころでは無いことを痛感していると思います。風邪は全てコロナと決めつけて、有症状者の休暇取得に寛大になってください。お願いいたします。

 根拠はありませんが、半年頑張れば、見通しが立つと思います。決して永遠ではありません。

 感染症対策の総論と各論には利益が相反することがあります。個人の安全の最大化とシステムの安定化、総死者数の最小化は残念ながら衝突します。しかし、社会のために、会社のために犠牲になってはダメです。生き残りましょう。

https://eetimes.jp/ee/articles/2003/25/news053_4.html