運動習慣化のコツ - 2021.12.22
これまで運動らしい運動をしてこなかった人が、運動を生涯続けられる習慣にするためには、ポイントが5つあると考えています。
贔屓目を差し引いたとしても、私の目に映る当サロンで目下ピラティスやパワープレートをご利用中のお客様は、どなたも自分をより良く変えていく生涯の良い習慣をライフスタイルにするだけの価値がある素晴らしい女性ばかり。2022年以降も自分を向上させていきたいかただけ、今日の記事を読んでくださいね。変わりたくない方、自助努力できない理由を他人や環境のせいにしたい人は読まなくていいです(笑)。
私が考える5つのポイントはこちら。
- 短期的な目標と中期的な目標と長期的な目標の3つを決める
- 睡眠時間、摂取栄養素の充実と深酒をやめる(理想は呑まない)
- 実践タイミングは朝一番
- アクティブな実践時間は1日1時間以上
- 真剣かつ徹底的に取り組み続けていればいつか訪れるブレイクスルーまで淡々と行う
順番に解説しますね。
1つ目の目標については、皆さんを定点観測していると、なんとなくぼんやりとしたはるかかなたの長期的な目標だけ掲げるから挫折するのがよくわかります。長寿を前提に考えて「ピンピンコロリ」が長期的な目標なら、中期的な目標は「怪我や痛みとできるだけ無縁な身体づくり」とか、すでにどこかが痛い人は「再発防止のための安定性と筋力の強化」みたいなのが候補になってきますよね。そうすると短期的な目標は、たとえばピラティスなら「ロールアップで足が浮かないようにする」とか「殿筋をもっと使えるようにする」とか「反動とアウターに頼って動かないようにする」なんかが候補に挙がってくるでしょう。ピラティスをしていない一般の方が取り組みやすいのは「毎日5㎞は歩く」とかでしょうか。私自身、最低でも1日7~できれば9㎞は歩くようにしていますが、もし5㎞すら歩けなかったり、たったの5㎞で疲れてしまって夜すぐに眠くなるなら、暦年齢が30歳でもその人の身体はとうにおばあちゃんです。でも、実際には現代の80代90代は元気で今の若い人と骨が全然違うそうなので、そうした元気な80代90代のおばあちゃんよりも今の30歳のほうがはるかに老化と衰弱が進行しています。恐ろしいですね。
2つ目の睡眠、栄養、断酒(禁酒?)は、生き物は回復した分だけしか動くことができませんから、睡眠と食事と深酒×は基本中の基本です。お酒を呑んだ翌日は毒の排出に全身の機能が使われて脳や身体を動かす方にエネルギーもコネクトする能力を割きづらいです。栄養素の充実は、高ビタミン高ミネラル高たんぱく質、良質のオイルと繊維質の多い炭水化物とたっぷりの水を摂取して、食卓の色どりが旬のものでカラフルになり、加工品と白いものは一切廃止すれば栄養は勝手に充実します。これは健康意識の高い方であればもう常識的レベルでご存じのはずで、実践しているでしょうし、うちの他のブログ記事でも取り上げているので、あえていまさらここに詳細を書かなくてもよいでしょう。
そして、3つ目の朝の実践は、ハードルの高い目標を朝いちばんに行うことで「苦手なことを今日もやりきった!」という自信の獲得につながります。夜は仕事で気も使い、脳も使い、お腹も減って、座りっぱなしで脳も全身も血流も悪くなっているので、酸素不足でぼーっとしています。ここでさらに「苦手な運動にとりかかる」という決意を実行に移すのは、ほとんどの方にとってかなりハードルが高いのではないでしょうか。だから大手のジムには、幽霊会員やお風呂会員がいるのでしょうね(笑)。朝は他人や仕事の邪魔が入りづらいですから、そうした意味でも実践や継続をしやすい時間帯だといえます。
ここまで読んだ方は、上記の1~3の全てに反することを毎日繰り返しながら、「運動」という新たな(かつ多くの人にとってはできればやらずにどうにかして逃げ切りたかったであろう)行動が生涯の習慣になるかどうかを、ぜひここで想像してみていただけますか?ぼんやりとした長期的な目標を掲げたはよいけれど、身体と脳に供給するのは酒と高脂質高糖質の食事をパンパンに胃に詰め込むばかり。そんな状態の人が体力も気力も低下した夜に、「さて運動しようかな」取りかかれるかというと、ちょっと難しそう・・・と容易に想像できるのではないでしょうか。
4つ目のアクティブな実践時間は1時間という基準に関しては、運動習慣の生涯化は外国語や楽器演奏の習得、左利きの人が右利きを習得するのと同じと考えるとイメージしやすいかもしれません。慣れないことを、それなりにできるようになるまでのステップは誰にとっても困難の連続です。最初の一歩は何もかもちっともできないし、何がわからないかすらわからないというような状態から始まるでしょう。それが「ちょっとだけわかってきた気がする」になり、「なんとなく出来るようになった気がしてきた。でもまだできないところもいっぱいある」というステージに進み、さらにそこから自分なりに出来るようになったことの中から「次の課題を先生から指摘された」り、あるいは「自分の修正すべき点に自発的に気づく」というステージに進み、そしてまたその「新たな自分の改善課題に取り組む」というステージに進む・・・・というような工程を来る日も来る日もひたすら繰り返して、初めて「想像もしていなかったところまで到達でき、それをやることがもはや当たり前」というステージにたどり着きます。
こうした新しいことの取り組みにおいて着実にステージを上げていくために最低限必要な能動的なアクティブな実践時間は、1日1時間以上でしょう。1日3時間あれば万々歳でしょうが、育児やフルタイム勤務で忙しい現代人に最初から3時間の設定はハードルが高すぎます。かといって、ほぼ日本語で進行する英会話番組をただ眺めていては、どう考えても一生英語を話せるようにはなりませんよね?高い学費を払った英会話スクールも、週2回たった1時間の授業を「発音も下手くそだし失敗したら恥ずかしいから」と一言も発言しないパッシブな受講スタイルで通し、他の日は日本語に囲まれた環境にどっぷりつかって、アクティブな自習をしないのなら、どんなスキルも上達するわけがないんです。
1時間の運動時間の捻出が今は難しいなら(先日の朝方生活への移行のブログ記事にも書いた通り)1塊にせず、朝と夜の各30分間に分割すればいい。朝・昼・夜の20分ずつでもいいでしょう。運動し慣れていない人は、前述の1つ目に記した「5㎞歩く」だけで40分以上かかってしまうかもしれませんよね?これに当サロンの週3回の朝30分間のグループセッションを加えて、他の週4日は家のお風呂掃除や天井やエアコンの掃除や床のワックスがけや庭の手入れをすれば、1時間は身体を動かしたことになりますよね?重量物の買い物も宅配便を使わず、自分で歩いて買いに行って自分で運べばウエイトトレーニングになります。家もきれいになるし、体力も尽くし、良いことしかないのでやらないほうが損です。最初は1日の中で15分ずつに分割してみたっていいじゃないですか。
もし、この程度のことが何年間も何十年もできないほど本当にずー-っと忙しいなら、その人のライフスタイルの設計自体に相当ひずみや無理があると思うので、再設計することを検討してみてください。そのままでは心も体もそのうち本当に病気になってしまいます。
でもね。「忙しくて、30分の運動時間さえ作れないのよー」とか言う人に限って、ネットでどうでもよいゴシップやインスタを眺めていたり、何の生産性もない井戸端会議に平気で1時間とか費やしたりしていませんか?次のGOTOトラベルやGOTOイートで「どこに行こうかな~」なんてリサーチに平気で3時間費やしていませんか?運動の必要性を感じながらも、そのためのお金と時間を捻出せずに旅行や会食やゴシップには平気で時間を使えるのなら、それは向上を目指して自ら行動するよりも、目先の受け身でいられる享楽や娯楽を優先していると認識すべきですし、それを自分が決めてやっているのだと認めたほうがいいです。そこまで目先の享楽を優先しないとやってられないストレスの源から遠ざかるなり、離れるなり、去るなり、ご自身で専門家のカウンセリングを受診するなり、何かしら解決に向けた方策をとったほうがいい。いずれ遅かれ早かれ健康を失います。そのアクションすら取らないのは自分の問題だと気付かなければ良くなるものもよくならないし、事態は何ひとつ変わらないでしょう。もちろん、「誘ってくる人がいるから」と他人のせいにしたり、「毎晩深酒しないとやってられない」のにその事態を変えるためのアクションを何一つせず健康をないがしろにして過ごすのも個人の自由です。ですが、もちろんそのつけを払うのも自分です。そして、巻き添えになるのは家族や親族です。
そして、こういうことを言ってくれるのも家族か近しい親族ぐらいのもので、おそらく多くの人にとっては最も忌憚なく言ってくれるのは親だと思います。親が死んだ後に嫌われる覚悟でこういうことを指摘してくれる他人は、滅多にいません。ですから、私はそういう人をあえて積極的に選んで、自分から繋がるようにしています。本音で思ったことを率直に言い合えない関係性は、待たずに自分から作っていくものだと思うから。
続きは明日。