ロレッタブログ

あらゆる学習は頻回、没頭、継続が鍵 - 2022.05.20

この数年、ブログで英語ネイティブによるウェビナー(日本語字幕なし)をご紹介しているせいか、英語の勉強のご相談をいただくようになりました。今日は私が新しいチャレンジ、特にスキル向上を念頭に置いて取り組む時に忘れないようにしていることを、とりとめがないですが、今日と明日の2回に分けてちょっと記してみますね。

語学だけに限らずに、様々なことに通ずると思いますので、挑戦と向上とフラストレーションのはざまで心が揺れがちな人、あるいはそうした経験のある方にはきっと何か共感いただける点があるかもしれません。

社会人になってからの語学の勉強の目的は様々なものがあると思いますが、読めればよいのか、書く必要もあるのか(ビジネスレターなのかエッセイなのか論文なのか)、話せることが大事なのか、その優先順位は個人によって異なると思います。Leading,Speaking,Writing,Listeningの全てをバランスよく網羅するのはちょっと難しいなあ、と感じているなら、とりあえず自分が今最も必要としているスキルに特化して伸ばしていくのもよいと思います。大量に読んだり聞いたりしていれば、英語のリズムや表現にだんだん慣れていくと思いますし、そのうち声に出して読んでみたくなると思いますから。

業務上なんとしてでもものにしたいポジションや到達点があるならそこに向けてその仕事に関わる情報を英語を通じて接するのがいいんじゃないでしょうか。仕事が関わっていれば「食いっぱぐれるぐらいなら死に物狂いで頑張る!」ぐらいの意気込みで取り組めるでしょうから、新しいスキルの獲得において、わが身の死活問題はつべこべ言い訳する暇を自分に一切与えないので、圧倒的に有利です!(笑)。

また、仕事が別段関わっていない環境で勉強を始めたいのであれば、ご自身にとって心から夢中になれる内容なら何を対象にしてもOKだと思います。ラブコメや海外ドラマが好きならそれにはまりまくればいいし好きな小説を原書で読むでもいいし。好きこそものの上手なれは間違いないですから!

ただし私の個人的な意見ですが、運動学習や語学学習や思考パターンの修正や躾などは、脳-神経系を毎日しつこい反復して訓練してなんぼだと思います。そしておそらくその向上の鍵は、没頭と頻度と継続でしょう。また、結果が出るには程遠い初期には圧倒的に膨大な量が必要で、近道はなく地道な努力も要します。これらを取り組む前に理解していなければ容易に挫折するでしょう。

ちなみにそれがどのぐらいの量かというと、10数か国語を操る翻訳家であり通訳家のロンブー・カトーによると「外国語学習に必要な最低限の時間は、週平均10~12時間」だそうです。でも、初期のうちは、まだこれでも全く足りないんじゃないかなあ・・・(←私の地頭が足りていないだけかもしれませんが笑)。これも運動と語学には通じるものがあると感じる点ですね。

だって、いくら上達向上しようとも、文法や辞書を共に苦戦する瞬間が全く無くなるなんて日はまず来ないし、毎秒毎分パーフェクトな動きなんてありえないし、10代20代のようなパワーや回復力は地球上の全ての人から加齢とともに確実に失われていくわけで、言語というも自体が有機的で常に変化しているのだし。常につきまとうフラストレーションも「自分に挑戦しているんだから、そういうのはあって当然」と心得て、それでも自分のために頑張ると決意することです。だって全ては自分のためだから

極論何度くじけてもいいんですよ。くじけても5分後に気持ちを建て直せばいい。私も「一体わたしは何回同じ単語を調べているのだろう・・・」と自分に呆れながらも、「もうあと100回繰り返せば憶えるだろう」ぐらいに考えています(笑)。今の自分とかけ離れた非現実的な理想像を「そうあるべきはずの輝いて才能あふれるパーフェクトな本当の私」みたいに設定すると、自意識過剰でミスを恐れてチャレンジしないか、してもすぐに挫折します。(←なぜかこういう「はなから無理ゲー」を好んでやる人って、女性に非常に多いね)ようするに、現実の己のレベルを認めて、決して完璧さを求めないことです。

ですから、逆にもしその方の語学勉強の目標が「なんとなく日常会話レベルかなー」とか「映画の字幕を見なくてたまに言ってることが分かればいいかな」ぐらいのぼんやりとした目標では、自分のために淡々と継続するという訓練が三日坊主になるんじゃないかなあ、と感じています。そのぐらいなら気負わずに、いっそ趣味と割り切ってしまうのもありだと思います。社会人ともなれば皆さん仕事に育児に家事にと大忙しのはずで、今以上のストレスやフラストレーションは引き受けるキャパが無い人もいると思うんです。もしその方が「やってるうちにそのうち面白くなってきて、気が付いたらはまってるのよ」みたいなタイプの方ならありだとは思いますが、どちらにせよ、やるのは自分ですからね。

何故あえてこういうことを言うかというと、常日頃から私が日本人女性にありがちな傾向かな?と感じていることがあるからなんです。それは学校教育で先生ウケする「答えの型」みたいなものが染みついていて、社会人になっても現実のご自分の実行力を鑑みず優等生的な目標を立ててしまう、というものです。やる気はあるのに、毎日ただでさえ忙しい中、自分で努力してなんぼという大前提を踏まえず「完璧を目指します!」的な無茶な目標を掲げたら、続くものも続かなくなってしまいます。そのせいで投げ出すぐらいなら、あらゆる学習は長距離マラソンと心得て、スモールステップを1つずつ着実に実行したほうがいいです。

続きは明日。