ロレッタブログ

畏怖を忘れずに - 2023.04.20

 昨日のブログに記した、NASM Women’s Fitness Specialization (WFS)Courseの受講を決めたきっかけは、2つありました。ちょっと長いので、お手すきの時にご一読くださいね。

1つ目は、私は言語学習は「その言語でいつか勉強したいと思っていることを、今はじめてしまう」、というのが効率的だと考えて、それを数年前から実践中なんです。今回はテキストをプリントアウトしたら全14章、約450頁プリンタのインクとA4用紙がストック分まで無くなりました(笑)。

2つ目は、私自身が数年前にNASM-PEPSの資格取得をきっかけに、コンディショニングで非常に有名な都内の某スタジオに通った経験があり、クライアントの性差がもたらす特徴や、女性の一生における内分泌系の波がもたらす様々なリスク要因に関する知識の欠如が、どれほど体を危険にさらすか我が身で実感したからです。

そのスタジオの費用は入会金、月額利用料、指名料等含めて約10カ月間で合計70~80万位かな?(高価格帯でも有名なので)私もあらかじめ色々想定して臨みましたし、私の直近のコンディションや痛みや思うところは都度伝えていたのですが・・・結果、期間中に3回もひどい腰痛を経験し(初回は整形外科受診した)日常生活にも支障が出るレベルだったので、到底続けようとは思えませんでした・・・色々な意味でよい勉強代です。ウエイトをひたすら要求するトレーニングをすればそりゃ筋肉はついたけど、私は別に「大きくでかい身体」になりたいわけではなく、より動きやすく機能的な身体を作りたかったわけです。

本来コンディショニングとはそういうもののはず。なのに、私が結果的に得た実感は「全身のバランスがおかしくなった」でした。つまり私の求める「バランスの取れた身体」とは違うものが出来上がりました。一番謎なのは、私の退会後にそのスタジオにピラティスが導入されたこと・・・。しかもトレーナーのメソッドをみたらストットピラティス(私がフル認定取得したメソッド)を選んでいるし・・・?


幼少期や10代の頃からスポーツに親しんでいる若い女性(20代など)や、ウエイトトレーニング向きの男性の身体感覚で30代以上の女性のプログラミングをするのは、ちょっと危険だと思います。もしお客様が20代女性でも、学生時代からほぼ運動と無縁の生活なら同様に注意が必要でしょう。

おそらくというか、9割9分の確率で、こうしたことがトレーナー側の知識はもちろん、最も大切な身体感覚として絶対的に腑に落ちるところまでわかっていないのだろうと推測しています。トレーナーとのやりとりで、疑問が残る説明もところどころにありましたし。だからこそ私からも、毎回自分のコンディションの状態を伝えてはいたのですが、そもそもその差に気づいていないのだから、私の言っていることの意味や意図すら本当に分かっていなかったのだと思う。そうでもなければ、あんなプログラミングと負荷設定になるはずがない。私なら絶対に自分のようなタイプのクライアントにやらないプログラミングもありました。

性差や世代の差、さらに広げれば怪我や手術歴や疾患歴、出産経験や回数の有無など、自分とクライアントの差異は経験しようにも不可能なことの方が多いんです。だからこそ学びで徹底的にそのギャップを埋め続けるしかないと、私は考えます。

医者が患者がかかる全疾患を経験しているわけではないし、薬剤師が全ての薬の服用と副作用の経験があるわけではないし、PTやOTが全ての骨折や切断や義肢や麻痺と回復過程を経験しているわけではないのと同様に、トレーナーが全ての身体コンディションを経験しているわけではないのだから。そこには確実に学ぶことでしか得られないことがあるのです。

私の結論としては、大会を目指すボディビルダーでもない限り、一般人や、プロでも怪我故障歴のある人、女性、高齢者のトレー二ングはウエイトありきで考えない方がいい。自重+パワープレート+ピラティスで十分身体は作れるし、その方が安全です。たまに「コンディショニングって体中痛くなるやつでしょ。もうやりたくない」という人がいますが、私はその気持ちがよく分かります(苦笑)。体が痛くなった原因はコンディショニングそのものにあるのではなく、プログラミングや負荷設定の見極めのミスにあると思います。自重+パワープレート+ピラティスで十分身体は作れるし、その方が安全です。たまに「コンディショニングって体中痛くなるやつでしょ。もうやりたくない」という人がいますが、私はその気持ちがよく分かります(苦笑)。体が痛くなった原因はコンディショニングそのものにあるのではなく、プログラミングや負荷設定の見極めのミスにあると思います。

幸い、私がまだピラティスのプライベートセッションのクライアントだった30代の頃にこレベルまで身体がおかしくなったことはないですが、ピラティスであれ他のトレーニングであれ、トレーナー側の知識のみならず、実践的スキルの幅や深さの欠落が、クライアントの怪我や故障を逆誘発しかねない事例はいくらでもあるでしょう。

私はクライアント歴10年を経てインストラクターになり、こうした経験もあったおかげで、クライアントの声を無視したセオリー優先の負荷やプログラミング、トレーナーに最も大切な動きを見る目や畏怖や知識が欠けているのはクライアントの怪我に繋がるということが、クライアントの実感として深く理解できます。

続きは次回。