一無、二少、三多とは? - 2023.06.11
みなさんは、「一無、二少、三多」という言葉はご存じでしたか?
私はつい先日知ったばかりなのですが、日本生活習慣病予防協会が提唱する日常心がけたい生活習慣をわかりやすく表現した健康標語だそうです。その中身はこんな風に分けられるそうです。
- 一無:禁煙
- 二少:少食、少酒
- 三多:多動、多休、多接
この言葉を調べる中で、大変興味深いデータをみつけたので、シェアしますね。
厚労省が行っている人々の健康状態に関する調査(疫学研究)は「縦断調査」という方法を用いているそうです。この調査方法の利点は、特定の集団を対象とし、定期的に調査を繰り返し行い、経時的な変化も把握できる点にあり、他の調査方法に比べて手間がかかるものの、病気の原因と発症の因果関係の推測に役立つなどの利点もあるそうです。
健康が人を幸せしてくれるわけではありませんが、心身が健康でなければできないことが沢山あるのも事実です。さて、16年間の追跡調査で判明したことはどのような習慣だったのでしょう?以下は、日本生活習慣病予防協会のHPから引用した調査結果です。一番最後に私の長年の疑問も書いてあるので、ぜひ当サロンのお客様はご意見をお聞かせください。
厚労省の「中高年縦断調査」は2005年10月時点で50~59歳だった人を対象として毎年、追跡調査が続けられています。今回発表されたデータは、その調査対象の人たちが66~75歳になった時点に行われた第17回調査の結果であり、その人たちがこの16年間をどのように過ごし、健康状態がどのように変化してきたかがわかります。今回の第17回調査結果は、第1回調査から第17回調査まで集計可能である16,579人を対象に集計されたものです。
健康状態の変化
第1回調査から各調査回までの健康状態の変化をみると、「第1回からずっと『よい』」と思っている人の割合は、第13回調査で45.5%、第17回調査では38.3%と、調査回を追うごとに減少しています(表1)。これには、調査対象者の加齢が関係している可能性が考えられます。
健康維持のために心がけていること
第1回調査から継続して健康維持のために心がけていることを健康状態の変化別にみると、「第1回からずっと『よい』」と思っている人は、「適度な運動をする」13.8%、「食後の歯磨きをする」13.2%などの習慣のある人の割合が高いことがわかりました(図2)。
「その他の変化」(第1回から第17回までに「よい」・「わるい」を繰り返している)の人と、「第1回からずっと『よい』」と思っている人との差が最も大きい生活習慣は、「適度な運動をする」であり、6.4ポイントの差でした。
なお、この質問で把握された、調査に回答した本人による健康状態の評価(主観的健康感)は、BMIや血液検査の値などと同じように、死亡リスクと関連のあることが報告されています。
一方で、後3者の合計である『ずっとわるい』と答えた人(全体の22.5%)は、どんなことに配慮していなかったかも気になります。
実践してこなかった上位3項目は「適度な運動をする」「ストレスをためない」「適正体重を維持する」でした。すなわち、『ずっとよい』と答えた人たちが最も多く行ってきたこと、また『ずっとわるい』と答えた人たちがやってこなかったことの第1位も「適度な運動をする」という結果でした。
日頃の心がけが健康状態に長く影響を及ぼすことが、この長期・大規模調査からも明らかにされました。
和田 高士(東京慈恵会医科大学 客員教授、日本生活習慣病予防協会 副理事長)
https://seikatsusyukanbyo.com/calendar/2023/010701.php#midashi01
この続きは次回。