ロレッタブログ

セダンはトラックにはならない - 2024.03.29

「肥満は健康に悪い」と言われても、肥満の何がそんなに身体に負担をかけるのかを車にたとえて考えてみましょう。

厚生労働省のサイトe-ヘルスネット上での肥満の定義はこちら。↓

肥満と健康

健康づくりにおいて、肥満の予防は重要な位置づけを持ちます。肥満度の判定にはBMI(Body Mass Index)が用いられますが、同じBMIでもどこに脂肪がついているかで健康への危険性は大きく異なります。肥満のタイプは「内臓脂肪型肥満」と「皮下脂肪型肥満」に分けられ、前者の方が生活習慣病を発症するリスクが高いことがわかっています。肥満の予防には、食生活の見直しと併せて継続的に運動を取り入れることにより、さらに効果が期待できるでしょう。

肥満の定義(成人)

近年、わが国においても食生活を取り巻く社会環境の変化、すなわち食生活の欧米化や運動不足から肥満の人が急激に増えています。「肥満」とは、体重が多いだけではなく、体脂肪が過剰に蓄積した状態を言います。肥満は、糖尿病脂質異常症高血圧症心血管疾患などの生活習慣病をはじめとして数多くの疾患のもととなるため、健康づくりにおいて肥満の予防・対策は重要な位置づけを持ちます。

肥満度の判定には、国際的な標準指標であるBMI(Body Mass Index)=[体重(kg)]÷[身長(m)2]が用いられています。男女とも標準とされるBMIは22.0ですが、これは統計上、肥満との関連が強い糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)に最もかかりにくい数値とされています。

「脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、体格指数(BMI)25以上のもの」が肥満と定義づけられており、【表1】の通り判定されます。

BMI25って相当身体が重たくてしんどいと思います。内臓脂肪だけではなく、皮下脂肪も全身に満遍なく分厚くついているはずです。しかしながら、たとえ私たちが標準体重の2倍、3倍、あるいは5倍、10倍・・・と太ったとしても、骨や関節が2倍、3倍、あるいは5倍、10倍・・・と太くなったり、数が増えることはありません。同様に、心臓や肝臓や腎臓が2倍、3倍、5倍、10倍と大きくなったり、あるいはその数が2倍、3倍、あるいは5倍、10倍・・・と増えていくこともありません。

つまり、私たちの車を構成するエンジンや部品のサイズや数はある程度の定型があり、それ以上に増えたり大きくなったりすることは無いのです。たとえどんなに搭載する貨物が増えたとしても、セダンはセダンで、セダンが自動的に勝手にトラックに変身することはないのです。

しかも肥満というのは、搭載した荷物を毎晩配達しきって荷台の荷物が0個になる宅急便トラックとは訳が違います。24時間364日×肥満の年数分、セダンなのに貨物車の荷物量(内臓脂肪+皮下脂肪)を搭載しっぱなしなのです。

設計外の積載量を無休で課しているのですから、エンジンやタイヤなど車の全パーツは酷使されっぱなしです。ですから、故障や不具合も多くなるし、自損事故も多くなるし、そのまま何十年も乗りつづければ廃車レベルで全パーツが消耗しきって使い物にならなくなります。全身の重量を受け止める股関節、膝関節、足関節、足などの下肢が受ける過剰な載積量の負荷とダメージは、経年では計り知れないほど大きいでしょう。内臓脂肪や皮下脂肪で常に圧迫されつづける腰部も、故障多発エリアです。

セダンはセダンとして乗る目的のために設計されており、トラックはトラックとして設計されています。世の中に絶対はないといいますが、セダンはトラックに変身することはないのです。

私達が哺乳類ヒトとしての動物としての機能を発揮しながら生命活動を送るための定型のサイズと重量は、多少の幅はあれどもある程度決まっており、その範囲内で活動することが長く良いコンディションを保ちつつ動ける必須条件、と考えるのが妥当だと思います。